モイーズ解任の知られざる真相――“ファーガソン院政”を崩したマンチェスター・U経営陣のクーデター

昨季と比べて勝ち点で20、得失点で27のマイナス

 現在34試合消化で17勝11敗6分の勝ち点57のリーグ7位。このまま残り試合4試合を全勝しても勝ち点は69。単純にぶっちぎり優勝した去年と比較するのも酷な話だが、89点の昨季と勝ち点で20減。得失点差は現時点で得点56失点40の+16だが、昨季は86の43で+43。確かにベテラン選手陣が確実にひとつ年齢を重ねたが、メンバーは昨季とほぼ同じなのに、この大差となっている。

 それではなぜ、ここまでずるずるとモイーズが持ちこたえてしまったのか。その理由はモイーズが、ファーガソン前監督の強力な推薦で監督に就任したことにつきるだろう。

 だから、その裏を読めば、今回の解任の真相が明らかになるはずだ。つまり今回の解任は、マンチェスター・U内でのファーガソン前監督の発言力が低下したことが最大の原因になっているのではないか。

 ご存知の通り、ファーガソン前監督は皇帝的な存在だった。サポーターから神のように崇められ、オーナーのグレイザー一家でさえ睥睨した。だから当然のごとく後任も一任され、まさに鶴の一声でモイーズを招聘したのだった。

 きっとファーガソン監督の青写真は、モイーズがそこそこの結果を出し、監督引退後もクラブのディレクターとして院政を敷き続けることだったに違いない。

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