24歳MFが呼んだジャイアントキリング 「狙い通り」の直接FK弾に「自信は常にある」

品田愛斗が約25mの直接FK弾を放った瞬間【写真:Getty Images】
品田愛斗が約25mの直接FK弾を放った瞬間【写真:Getty Images】

千葉MF品田が天皇杯ラウンド16の札幌戦で存在感

 天皇杯は8月21日にラウンド16を各地で行い、フクダ電子アリーナではJ2所属のジェフユナイテッド千葉とJ1所属の北海道コンサドーレ札幌が対戦。試合は前半45分に24歳MF品田愛斗が直接フリーキック(FK)を決めた千葉が1-0で勝利している。

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 圧倒的に攻め続けた千葉だったが、札幌GK児玉潤の再三にわたる好セーブの前になかなかゴールをこじ開けることができなかった。そうしたなか迎えた前半45分、千葉はゴール前約25メートルの位置で直接FKを得た。ボールの前に立ったのは、DF佐々木翔悟と品田だった。

 FC東京から期限付き移籍で加入している品田は、3回戦のFC東京戦(延長戦2-1)はクラブとの契約上、出場することができなかった。それも、この試合への思いを強くしていたという。「契約上、出られなかったうえで、みんながつなげてくれた1試合でもあったので、責任を持ってやらないといけない認識はありました」と語った。

 そこで得たFKのチャンス。「翔悟も強いキックが蹴れるので、最初は任せようかと思ったんですけど、壁の位置が翔悟の巻きたい方を切ってきたので『じゃあ、ここは俺が行くわ』って話しました」と、キック前のやり取りを明かした品田は壁の上を通さずに、ゴール隅へとスピードのあるボールを蹴り込んだ。

「蹴る位置はGKと壁の位置で決めましたけど、あの距離だったので壁の上を通してもいいかなと思っていました。最終的にあの判断にしたことに特に何かあるわけではないですけど、自分のリズムで自分の蹴り方で、蹴ることだけを意識して蹴りました。(GKとの)駆け引きにはなっていたと思います」と、品田は会心のゴールを振り返った。

 この試合、コーナーキックのキッカーも務めていた品田は、手ごたえも感じていたという。「今日はコーナーの狙いとして、ファーサイドに蹴ることが多かったのですが、自分は高いボールよりも、本当に速く低いボールで相手の頭を越えるイメージでけるので。引っかかることもありますが、そのフィーリングが一発目から良かったので、狙い通りに蹴られて良かったです」と、自信を持ってFKを蹴ることができたと語った。

 現在、J2の舞台にいる千葉で戦っているだけに、カテゴリーが上のJ1のクラブとも対戦できる天皇杯は、チームの強さだけではなく、個人の力量を示す貴重な場でもある。それでもゴールについて品田は「自分のゴールでというのは、個人の評価につながる部分だと思うし、それはそれでいいのですが」と言い、チームにとって大きな意義があったと続けた。

「あの時間帯に結構チャンスがあったなかで決めきれない。でも、いつもの自分たちだったら取れていないところを取れて、リードして前半を折り返すことができました。上手くいかない時間帯で自分たちで勝手に崩れてしまうという前回のリーグ戦であった脆さをなんとかしたかった。自分が常に真ん中で冷静にいることで解決できると思っていましたし、自分1人で周りをコントロールできると思うんです。分かりづらい部分だと思いますが、今日の90分間はかなりそこの充実があったと思います」

 直近のリーグ戦では3試合連続でメンバーから外れている品田だが、この日のプレーは大きなアピールにもなったはず。「その(J1と戦える)自信は常にあるので。今日でまた、さらに自分がどんなものかを確立できたので、また自信を持って次も臨みたい」と胸を張った24歳は、リーグ戦で8位となっているチームを牽引していく覚悟を示した。

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