鈴木彩艶は「経験不足」 セリエAデビューで失点関与も現地期待「新生チームの主人公になる」
鈴木彩艶がフィオレンティーナ戦でフル出場
イタリア1部セリエAのパルマに所属する日本代表GK鈴木彩艶は、現地時間8月17日に行われたリーグ開幕節フィオレンティーナ戦(1-1)で日本人GK初のセリエA出場を成し遂げてフル出場。そのプレーぶりに、イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」は「少々、世間知らずで経験不足」という評価をしつつも「新生パルマの主人公になる」と報じた。
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鈴木は昨夏に浦和レッズからベルギー1部シント=トロイデンへ移籍し、今季に向けてパルマへ完全移籍した。移籍金はボーナス込み総額1000万ユーロ(約17億円)になるという見通しが報じられている。そうしたなか、この開幕戦でスタメン起用でデビュー。日本人GKとして初めてセリエAのピッチに立った。
いくつかの難しいセービングも成功させたなかで迎えた前半22分、ペナルティーエリア内で足元にボールを保持した鈴木は自陣から左サイドを駆け上がった選手を見逃さずにロングフィード。その競り合いから中央でパスをつないだパルマはMFデニス・マンが先制ゴールを奪った。
このプレーはレポートでも称賛の的になり、「パルマのセリエA復帰初ゴールは彼のロングフィードからだった。そして、足下の技術だけでなく腕を使ったプレーもいい。反応の良さと爆発力のあるセービングがいくつかあった」とされた。ゴール前のこぼれ球に対する素早い反応で決定機を防いだ場面は、イタリアメディアの目も引いたようだ。
一方で、厳しい評価をされているのはフィオレンティーナの同点ゴールになった場面のこと。背後のスペースをカバーしに前に出てペナルティーエリア内でボールを確保したものの、そのままセービングの形で勢いを止められずペナルティーエリアの外にボールを持った腕が出てしまいハンドの反則に。このフリーキックを相手DFクリスティアーノ・ビラーギに直接蹴り込まれてしまった。
シュートが素晴らしいコースに飛んだこともあり「止めるのは難しいものだ」とされたものの、「間違いなく、このフリーキックを与えた反則は避けられた」と指摘されている。
そのようなプレーもあったことから、「2024-25シーズンのパルマで正GKを務める選手としては少々、世間知らずで経験不足だ」という評価は受けているものの、「ペッキア(監督)の定める序列では、新生パルマの主人公になる」とされた。
開幕戦では粗削りな部分を出してしまったが、2002年8月生まれで間もなく22歳になる若さ。昨夏にはイングランド1部プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドが獲得に乗り出したポテンシャルの持ち主は、その将来性につながるプレーをイタリア初戦でもアピールできていたようだ。