日本プロサッカー選手会、選手プライバシー保護に関する声明発表「プライバシーを尊重して」
JPFAが公式発表
日本プロサッカー選手会(JPFA)は8月13日、選手のプライバシー保護に関する声明を発表した。JPFA会長の吉田麻也(LAギャラクシー)は「JPFAの声明を多くの皆様に知っていただき、アスリートに対してだけでなく、著名人全体のプライバシー侵害や、心無い誹謗中傷がなくなっていくことを願っています」と発信している。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
JPFAは「昨今のスマートフォン、SNSの普及、インターネット上の多様な情報ツールによって、プライベートな情報が流出され、プライバシーが侵害される問題が起きています」と時代の流れをくみ取りつつ、「アスリートも例外ではなく、本人以外に家族や交際相手なども被害を受けるケースがあり、根拠のない誹謗中傷にさらされることもあります」と、こうした被害をサッカー選手も受けている事実に言及する。
「こうした事象を受け、JPFAでは選手のプライバシー保護について、超党派の国会議員で構成する『ネット社会におけるプライバシーのあり方議員連盟』と『アスリートのプライバシー』問題への対策で協議するなど、アスリートのプライバシー保護の協力を訴えてきました」
JPFAの活動を説明したうえで、「これから日本国内ではJリーグのシーズン後半が本的に始まり、WEリーグも開幕し、海外では2024-25シーズンがスタートします。改めてファン・サポーターの皆様、メディアの皆様、関係者の皆様のみならず、広く社会に向けてサッカー選手、そしてアスリートのプライバシー保護についてご協力いただきたく、ここに声明を発表させていただきます」と声明を出した理由を明かしていた。
JPFAによる選手プライバシー保護に関する声明は以下のとおり。
「メディア報道SNSで、我々サッカー選手のプライベートな情報が出されることが増えています。選手や家族の個人情報や収入、交際相手など、出される情報は様々です。事案によっては騒動を理由に活動の自粛を求められ、選手だけでなく、家族も含め、根拠のない誹謗中傷にさらされることもあります。最近も、選手個人の住所が特定され、嫌がらせをされたり、引っ越しをせざるを得なくなったケースもありました。海外でプレーする選手も増えてきましたが、日本と比較して、現地で選手や家族のプライバシーがさらされることはあまり聞かれません。著名人であったとしても、プライバシーに対する一定の理解があるためと考えられます。我々も、露出する立場でもあるので行動に気をつけなければならないことはもちろんですが、皆さまと同様に、1人の社会人として、プライバシーはありますし、プライバシーはどのような立場の人間であっても尊重されるべきです。
プレーに関して様々なご意見をいただくことはあっても、プライベートは別の問題です。日本でも、以前、著名なサッカー選手の生い立ちや子どもの頃の写真などを掲載した書籍は、プライバシー侵害として出版差し止めになり、損害賠償が認められています。交際に関する写真にプライバシー侵害による損害賠償が認められたこともありました。我々ももちろん他人のプライバシーを尊重しますが、メディアやSNS、インターネットなどでも、我々のプライバシーを尊重していただきたいと考えています。日本プロサッカー選手会は、プライバシー尊重の面でも日本が世界に近づけるよう、今後、著名人のプライバシーが尊重される社会の実現を目指して活動してまいります」
JPFA会長・吉田のコメント全文は以下のとおり。
「ネット社会が大きくなるにつれ、著名人のプライバシーがさらされることが増えています。家族や周りにいる方々のプライベートまでがさらされて、被害を受けるケースまであります。私自身も、サッカー選手だけでなく、アーティストや経営者の方々からも、日本でプライベートに危険を感じた話もお聞きしたこともありました。今回のオリンピックでも、アスリートはプレーでいろいろな注目、批評を受けますが、一方で、心無い誹謗中傷や、プレーに関係しないプライベートに関する報道なども見られました。アスリートは結果のためにすべてを賭けてやってきていますが、結果が出ないこと、ミスが出てしまうことはあります。このような時の誹謗中傷や興味本位のプライベート報道ほど、アスリートにとって辛いことはありません。私たちJPFAの声明を多くの皆様に知っていただき、アスリートに対してだけでなく、著名人全体のプライバシー侵害や、心無い誹謗中傷がなくなっていくことを願っています。そして、この度はオリンピックサッカー男女日本代表への応援ありがとうございました。Jリーグも再開し、欧州リーグ、WEリーグも開幕していきます。皆様の心温かい声援にこたえられるよう、頑張っていきたいと思います」
(FOOTBALL ZONE編集部)