退場GKの“隠れた行動”に感銘「嫌味にならない」 J1緊急出場を救った守護神の「紳士的な振る舞い」

浦和・西川周作【写真:徳原隆元】
浦和・西川周作【写真:徳原隆元】

西川が一発退場になり、GK牲川がJ1リーグ初出場

 浦和レッズは8月11日、J1リーグ第26節でサガン鳥栖と対戦し1-1のドローで終えた。このゲームでは守護神の西川周作が一発退場となるアクシデントがあり、GK牲川歩見が緊急出場。そのプレーとともに、西川の行動にも注目が集まっている。

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 浦和の1点リードで迎えた後半34分、DF井上黎生人が頭でバックパス。そのボールを狙っていた鳥栖FWマルセロ・ヒアンが奪い西川と交錯する。西川は思わず手を掛けて止めてしまい、中村太主審は迷わずレッドカードを提示した。

 しばらく主審と話し抗議していた西川だが、判定は覆らず。急遽GK牲川がPKのピンチから、J1の舞台に初出場となる。ヒアンのPKはコースを読んだものの触れることができず。1-1とされたなか、浦和にはさらなるピンチが訪れる。

 後半アディショナルタイム、カウンターで一気にハーフライン手前から抜け出し独走状態となったヒアン。立ちはだかる牲川はゴールエリア付近でぎりぎりまで飛び出しを控え、味方が戻って対応した際を狙ってシュートを防いだ。

 二次攻撃が続くなかで集中力を切らさずに間一髪のセーブを見せた牲川。このプレーには「よく止めてくれた」「駆け引きで一枚上手」「さすがのポテンシャル」と称賛がファンから送られている。また全力で戻って対応したDF大畑歩夢にも「素晴らしいDF」「絶対手放しちゃだめ」と称える声が集まった。

 一方で、退場の際に見せた西川の行動もSNSで話題に。時間をかけて主審と話をする姿、その後は味方に声をかけ両チーム選手や主審と握手をかわすなどの一面があり「準備できる時間を稼いだ」「嫌味にならない程度の抗議と他選手への激励に時間を使っていて上手い」「素晴らしい駆け引き」「紳士的な振る舞いに改めて感銘」といった言葉が並んだ。

 浦和は今夏、DF酒井宏樹やDFアレクサンダー・ショルツら4選手が退団。シーズン途中でキャプテンおよび副キャプテンが離脱した。後任にMF伊藤敦樹がキャプテン、西川が副主将となったが、その伊藤も海外クラブ移籍のためチームを離脱してしまう。異例の事態となったなか、残りのシーズンは西川がキャプテンを務めることが決定していた。

 また緊急出場となった牲川は、現在30歳。2012年にジュビロ磐田でプロ入りし、その後は鳥栖、ザスパクサツ群馬、アスルクラロ沼津へのレンタルも経験。19年より沼津に完全移籍。その翌年には水戸ホーリーホックへ移籍し、22年から浦和へやってきた。これまでJ1リーグでの出場はなかったなか、24年8月11日、まさかのタイミングで出場機会が訪れることになっている。

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