黒田監督、神戸の退場劇に同情「涙出そう」 町田に重ね疑問視…優勝争い不安「ストレスで頭に発疹」

町田・黒田剛監督【写真:©FCMZ】
町田・黒田剛監督【写真:©FCMZ】

黒田監督は神戸トゥーレルの退場場面に「(選手が)かわいそう」と同情

 J1首位に立つFC町田ゼルビアの黒田剛監督が8月9日に報道陣の取材に応じ、次節の湘南ベルマーレ戦(8月11日18時キックオフ/町田GIONスタジアム)に向けた意気込みを語るとともに、レフェリングについての疑問を呈した。

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 8月7日の第25節ではセレッソ大阪と引き分け、2位鹿島アントラーズとの勝ち点差が3と縮まった状態で、今季の最初の対戦では無得点で引き分けた相手と対戦する。

 勝ち点差が5から3になったことについては「我々が(C大阪戦で)勝ち点1を取ったから、勝ち点2差ではなくて3差になった。(鹿島とは)得失点差の違い(1位の町田が+18、2位の鹿島が+12)があるから5差も3差も変わらない。それに(3位の)ガンバ大阪がFC東京に引き分けて、こっちには幸運があった。また(勝ち点差を)広げたいので、ここでのホームでの2連勝は必須になる」と前向きに振り返りつつ、決意を新たにしていた。

 また、湘南については「残留争いにかかっているチームにエンジンがかかり始めて、大物を食う構図が必ず出てくる。(湘南は)『なんで負けていたの?』というぐらい下手じゃない」と気を引き締めていた。

 それから他チームの動向について語る時にヴィッセル神戸の話題になった。神戸は前節、川崎フロンターレとのアウェーゲームで前半45分に飯野七聖が、後半18分にはマテウス・トゥーレルが退場となっている。飯野の退場はペナルティエリアの中で倒れたことがシミュレーションとされ、2枚目の警告でレッドカード。トゥーレルは副審に向かってボールを蹴ったことが「乱暴な行為」とされ、一発退場になっている。この試合で神戸は0-3と敗れた。

 黒田監督はトゥーレルの退場場面に「(選手が)かわいそう」「なんか見ていて涙出そうな感じだった」という。「せめてインステップでバーンと(副審目がけて)蹴ったのなら分かるよ。でも、あのボールは全然弱かった」と同情した。

 飯野の退場についても「接触があれば絶対倒れる。走っていればちょっとでも触れば倒れるから、ノーファウルでいいじゃない。シミュレーションとはちょっと違うような気がします」と、飯野も庇っていた。

デュークやオ・セフンらのポストプレーへの判定も疑問視

 そして自分たちのポストプレーヤーが取られているファウルについても疑問を呈した。ミッチェル・デュークやオ・セフンという背の高いプレーヤーが味方のセットプレーでゴール前にいる時、反則を取られてしまうという。

「去年はデュークに対して思ったし、今年ももう散々掴まれて、服を引っ張られて、振りほどいたらイエロー(カード)が出る。捕まれて、ふざけるなと振りほどいても捕まれて引っ張られて、もういい加減にしろとやったら、イエローカードが出る」

 監督は「振りほどいている手が(当たるのは)悪いんだけど、でもその原因を見ないとね。(振りほどいた手が相手に当たる)現象だけ見るとそうだけど、その前の原因をちゃんと見てくれなければ(選手が)かわいそう」と、選手を思いやっていた。

 囲み取材はいつもどおり長引き、40分を超えた。最後に黒田監督はほんの少しだけ素顔を見せていた。

「すごいストレスで頭に発疹ができていて、枕をしても寝られないぐらい頭痛くなる。全国高校サッカー選手権の時もよくそうだった。選手権の県予選の決勝前とか全国大会でも初戦を迎える時はすごいプレッシャーで頭に発疹ができるのだけど、今年もちょっとできている。国立での横浜F・マリノス戦の前もそうだったし、メンバーが揃っていないのに(国立という)負けられない設定とか、そういう時に自分の不安が実は身体に顕著に出てくる」

 大会が終わると発疹は消えるそうだ。このまま黒田監督の頭に発疹が出続けるということは町田がそれだけ長く優勝争いに絡むということだろう。そう報道陣から指摘されると「そういう仕事なんです」と笑いながら監督は席を立った。

(森雅史 / Masafumi Mori)



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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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