2選手が退場の神戸は川崎に0-3と敗戦

　ヴィッセル神戸は8月7日、J1リーグ第25節で川崎フロンターレと対戦し、0-3で敗れた。DF飯野七聖とDFマテウス・トゥーレルが退場処分となり、数的不利な状況で大敗を喫したなか、元日本代表FW武藤嘉紀は試合後、トゥーレルの退場について「あんなのありえない」と怒りを爆発させ、試合後に直接審判団に説明を要求するも「無言を貫いていた」と明かしている。

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　前半31分にファウルでイエローを受けていた飯野は、0-0で迎えた同45分、カウンターの場面で裏に抜け出そうとした際、相手DF大南拓磨と交錯しペナルティーエリア内で転倒。しかし、主審は迷わず飯野にイエローカードを提示し、2枚目の警告で退場処分が命じられた。リプレイで確認すると、身体は接触しているものの、足は一切かかっておらず、大袈裟に転倒したとして、シミュレーションの判定となった。

　さらに後半12分にはコーナーキック（CK）から川崎MF家長昭博にヘディング弾を決められ、0-1とビハインドを背負って迎えた同19分、ゴールキックの場面でピッチに転がり込んでいたボールを、DFトゥーレルが副審の股を通す形でピッチ外へ蹴ると、主審は副審へボールを蹴り当てようとした蛮行と判断し、レッドカードを提示。トゥーレルは両手を広げて呆然とした様子だったが、VAR（ビデオ・アシスタント・レフェリー）も介入し、正式に退場処分となった。数的不利な状況に反撃の糸口を掴めない神戸は、川崎に追加点を許し0-3で敗れた。

　囲み取材に応じた武藤は「飯野に関しては、正直しょうがない。映像を見直しても当たってなかったし、仕方がないのかなと思った」と、飯野の退場には理解を示しつつ、「ただ、2つ目ですよね。あんなのあり得ないし、誰がどう見ても、あれが故意であったとして一発でレッドになるシチュエーションでもなかったし、あの（主審の）一存によって一瞬でレッドにあって2人を欠くというのは、本当にフラストレーションが溜まった」と怒りを露わにした。

　試合後、武藤が直接審判団に詰め寄るシーンもあったが、「なんで退場なのかを聞いた。無言を貫いていたけれど」と振り返り、「相手選手からも『なんであれがレッドなの？』と皆言ってきて…川崎の選手ですらそう言ってくれている。相手もびっくりしていたくらい、はてなが付く退場だった」と、対戦相手である川崎の選手たちも困惑するジャッジであったと明かしている。

「退場ということは、次の試合もいないわけだから、チームと選手の未来に関わることなので、VAR（ビデオ・アシスタント・レフェリー）もあるんだからしっかり見極めてジャッジしてほしい」と指摘しつつ、「川崎の選手は素晴らしくて、僕らが勝ち切れなかったのも揺るぎない事実なので、この負けを引きずらずに前を向いて臨みたい」と、勝利した川崎へのフォローも忘れなかった。