遠藤航は「苦戦していた」 新体制への適応を英紙疑問視「守備的MFの必要性が強調された」
プレシーズンマッチで遠藤航は苦戦
イングランド1部プレミアリーグのリバプールは、アメリカでのプレシーズンツアー中に行われたテストマッチで3連勝を飾った。新シーズン開幕に向けてアルネ・スロット監督のチーム作りは順調に進んでいるなかで、英紙「ガーディアン」は「守備的MFの必要性が強調された」と浮かび上がる課題を報じた。ユルゲン・クロップ前監督の下ではレギュラーだった日本代表MF遠藤航の苦戦がクローズアップされている。
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アメリカ遠征を行ったリバプールは現地で3試合のテストマッチを行った。EURO(欧州選手権)やコパ・アメリカ(南米選手権)に参戦した主力選手は不在で、目立った補強もないなか、スペインのベティス、プレミアリーグのライバルであるアーセナルとマンチェスター・ユナイテッドを相手に3連勝を飾った。
英紙「ガーディアン」は、「ツアーは成功した。リバプールはレアル・ベティスを1-0、アーセナルを2-1、そしてマンチェスター・ユナイテッドを3-0で倒した。ポジティブな結果以上に、(スロット)新監督のスタイルを実践できたことが何よりも重要」と、レポートしている。ここまでの経過が「成功」「ポジティブ」と伝えられているが、その一方で昨季まで遠藤が不動の地位を築いていた守備的MFのポジションに関しては疑問が残っているという。
「しかし、(プレシーズンマッチで)長期的なプライオリティーである守備的MFが必要性が強調された。この役割を強化する動きは進行中だ。これは昨夏に中盤の再構築のなかで行き詰まっていた部分だ。ユルゲン・クロップはチェルシーへ移籍したモイセス・カイセドとロメオ・ラビアを逃したあとで(当時)30歳の遠藤航へと方向転換した。遠藤はUSツアーの初戦(ベティス戦)でカーティス・ジョーンズとともに先発したが、スロットのポゼッションをベースとしてアプローチに苦戦していた」
スロット監督は4-2-3-1システムで中盤の底に2人の選手を並べる形を採用。ここまではMFカーティス・ジョーンズを軸に遠藤、MFドミニク・ソボスライ、MFライアン・フラーフェンベルフがテストされているが、遠藤はスロット監督が求めるタスクへの適応に苦しんでいるとされる。
遠藤に対してはこの夏に他クラブからの関心が伝えられており、退団の可能性も浮上。同紙は、「リバプールは1年前に1600万ポンド(約30億円)で獲得した日本代表に対するマルセイユからの1180万ポンド(約22億円)のオファーを拒否した。これはスロットの選手売却の選択肢に対するスタンスを反映したものだが、新たなMFを獲得すれば状況は変わるかもしれない。そしてよりいいオファーはが届く可能性もある」と遠藤の置かれた状況について伝えていた。
プレシーズンの内容から、スロット新監督の就任によって遠藤が厳しい立場に立たされているというのが現地での一貫した評価となっている。昨季も加入時点では獲得自体を疑問視される声がありながら、ピッチ上のパフォーマンスで評価を一変させた実績があるが、今季もこの逆境を乗り越えることができるだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)