リーグ最少から一転…不満残る「34失点」 J初挑戦・海外監督「攻撃の発展」に費やした思惑
浦和ヘグモ監督、中断期間明けの戦いへ見解
浦和レッズのペア・マティアス・ヘグモ監督は8月5日のトレーニング後に定例のオンライン会見を実施。中断期間明けの戦いに向け、「残り14試合で改善できるのは安定性のところ。攻撃だけでなく守備も安定させないといけない」と話した。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
この中断期間は移籍の登録ウインドーも開いているが、浦和は3日にサガン鳥栖からMF長沼洋一の獲得を発表した。登録上は11日の古巣・鳥栖戦から出場が可能になる見込みだが、ヘグモ監督は「練習の中でより彼のことを知っていくことになると思うが、今シーズンは主にサイドバックとして獲得している。昨シーズンは別のポジションで10得点している。そういったクオリティーのある選手だが、練習の中でしっかり見ていきたい。ウイング、サイドバックを両サイドでプレーできる」と、起用の構想を話した。
浦和は7月20日に北海道コンサドーレ札幌とのJ1第24節を3-4で敗れ、10位で中断期間に入った。24試合で39得点は昨季を見れば大きな改善だが、逆に34失点は昨季J1最少失点だったことを見ても不満の残る部分だろう。中断期間中のトレーニングでは、マリオ・チャベスコーチらとゾーンディフェンスの指導をする場面も見られた。チームの構築を守備から始める監督も多いなか、ヘグモ監督はプレシーズンの段階で攻撃練習を多く取り組んでいた。
ヘグモ監督はその手法について「私も基本的に、どのチームでも守備から始める。そこで堅固なプラットフォームを作る。ただし、この浦和に来た時にクラブとして最もやりたかったのが攻撃の発展だった。それにより、スタートから攻撃により多く時間を割くことにした。その順番が正しいかどうかは議論できると思うが、メンバーを代え続けながらプレーした部分が失点の理由だと思う。そこが固定できると、より抑えられたのではないかと思う。守備が良かった時期もあったと思うが、そこを安定させることができなかった」と話した。
そして、守備面の改善については「もちろん守備は1対1の個人もあるし、関係性の中での守備もある。そして、能力も関わってくる。例えば、ハイプレスを掛けたいならフィジカル的な能力が必要になる。選手の能力を見ると、まだ改善できる部分はあると思う。例えば、攻撃の能力は非常に高いが、守備面は伸ばさないといけない選手もいる。日々のトレーニングで優先順位を作りながらやりたい」と話している。
残り14試合での改善ポイントを明言
7月31日にはイングランドの強豪ニューカッスルとの試合に臨んで1-4の敗戦だったが、前半は質の高いゲームを展開していた。後半は負傷明けの選手を実戦に送り込むなど、交代の交代も含め11人を超える選手が入れ替わりながらピッチに立った。ヘグモ監督は「この残り14試合で改善できるのは安定性のところ。攻撃だけでなく守備も安定させないといけない」と話している。
シーズン前半戦は負傷者が非常に多く、ヘグモ監督の話す「メンバーを代え続けながらプレーした」状況も生まれた。現状を「全員が練習に参加している。ブライアン・リンセンのみ怪我明けで少しずつ負荷を上げていて、今週中にはフル合流できるだろう」と話しているだけに、ラスト14試合で本来のポテンシャルを発揮できるのか注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)