一撃必殺の“俊輔FK弾”が磐田に与えたもの スコアに刻まれた1点以上の価値

「今日の勝利は俊さんのゴールから始まった」 今季初勝利に導く勇気を与えた先制弾

 中村俊輔“一撃必殺”の直接FKは、試合の流れをいとも簡単に掌握してしまう――。11日に行われたJ1第3節、ジュビロ磐田の10番を背負うレフティーは、敵地大宮アルディージャ戦で鮮やかな直接FKを叩き込み先制点をゲット。チームも2-1と今季初勝利を手にした。本人にとっては納得の一撃ではなかったものの、“伝家の宝刀”によるゴールは敵味方関係なくメンタル面に大きな影響を及ぼしていた。

 中村の左足が唸りを上げたのは、前半5分のことだった。MFムサエフの突進から得たゴールやや左18メートルの位置でのFK。味方MF太田吉彰のスルーを経て、中村が助走に入る。大宮GK加藤順大の重心を見極めた低弾道のシュートはゴール右隅へ。必死に手を伸ばし、弾きながらもゴールネットを揺さぶられたGK加藤も「蹴った瞬間は見えていましたけど……」と悔しさをにじませたゴールで、磐田は先制に成功した。

 中村は試合後「コースは甘かった」と話し、会心の一撃ではなかったことを明かした。しかし「中村俊輔が直接FKを叩き込んだ」という事実が、磐田にとっては何よりの勇気に、そして対戦相手の大宮にとってはダメージとなった。

 この日の後半2分、中村とともに移籍後初ゴールをマークしたFW川又堅碁は、自らのゴール以上に価値があったのは背番号10のFK弾だったと話す。

「今日の勝利は俊さんのゴールから始まっているので。あのゴールでみんなが引き締まったし、チーム全体が自信を持ってプレーしているな、と試合を通じて感じていました」

 

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