パリ五輪の反省は「なでしこジャパンらしさ」の再追求 池田監督続投か…決断目途は「今月いっぱい」
日本は準々決勝でアメリカに0-1で敗戦
パリ五輪の女子サッカー競技は現地時間8月3日に準々決勝が行われ、なでしこジャパン(日本女子代表)はパリでアメリカ代表と対戦し、延長戦の末に0-1で敗れた。試合後に日本サッカー協会(JFA)の佐々木則夫女子委員長が取材対応し、今後の方針について「もう少し日本、なでしこジャパンらしいところも上げていかないといけない」とコメント。監督人事については、池田太監督の続投も選択肢に「今月いっぱいかけてじっくりやりたい」と話した。
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日本は前半から5バックで守備ブロックを組み待ち構えながらカウンターを狙った。その点で悪い試合展開ではなかったものの、延長戦で決勝ゴールを奪われた。佐々木委員長は「故障者や怪我人が多く現場としては台所が苦しく、リハビリもかなりしないといけない。チーム戦術やチームが勝つためのことをそのなかでも良くやってくれたと思う。リハビリも含め一丸となって、選手たちもギリギリのところでピッチに立つ状況でも良くやってくれた」と、選択された戦術への理解を示した。
一方で、今後の方針としては自分たちからボールを支配するサッカーを目指す意向を言葉にしている。佐々木委員長はスペインを引き合いに出しながら、「(世界の)質が上がる中で、なでしこジャパンのポゼッションだけでなく試合を支配するところ、もう少し日本、なでしこジャパンらしいところも上げていかないといけないという反省もある」とコメントした。
メンバーを見れば、MF長谷川唯を代表格に欧州の実力あるクラブで活躍する選手たちが増えている。MF谷川萌々子らの若手も台頭しただけに「選手もあれだけイニシアチブを取られてサッカーはしたくないと思う。もっとそこを検証してあげるにはどうしたらいいかと、僕にはその新たなイメージを、スペインとやってもそうだったので考えているところはある」として、「若手の素材は今後に楽しみ。そういう選手にイニシアチブを取られながらカウンターだけでは、なでしこの将来は成長できない」と話した。
女子サッカーでは五輪の前年に女子ワールドカップ(W杯)があるサイクルのため、次の大きな国際大会は2027年の女子W杯になる。佐々木委員長は池田監督の続投を「もちろん選択肢にある」としながらも、「一度戻ってから。僕だけの判断ではなく、女子委員会や理事会の段取りもあるので、経過を見ながら、本人とも話さないといけない」と話す。そして「今月いっぱいかけてじっくりやりたい」と、1つの目途を答えた。
例外的に2021年の開催だった東京五輪を終えて就任した池田監督のサイクルは、23年女子W杯、24年パリ五輪をいずれも準々決勝の敗退で終えた。よりボールを支配していくスタイルの浸透を目標とする佐々木委員長の構想下で、次のサイクルをどのようにスタートすることになるのか注目される。
(FOOTBALL ZONE編集部)