元日本代表DF闘莉王氏が、日本の得点取り消し場面に言及

　パリ五輪の男子サッカー競技は現地時間8月2日、準々決勝が行われ、U-23日本代表はスペインに0-3で敗れた。元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏が、VAR（ビデオ・アシスタント・レフェリー）によりFW細谷真大の同点ゴールが取り消された場面に触れ、観る側を混乱させた国際映像に「納得しづらい部分」と見解を語った。

　スペインとの8強対決で、日本は前半11分にMFフェルミン・ロペスに強烈な一撃を決められ、いきなり失点。同40分にはFW細谷真大が相手を背負った反転からネットを揺らしたが、VAR（ビデオ・アシスタント・レフェリー）介入のうえでオフサイドの判定となり取り消しとなった。

　日本は後半、スペインに2点を許して0-3の完敗。前半終了間際、細谷の得点が“幻のゴール”とされた判定では、相手DFを背にしたポストプレーで右足かかとがわずかにオフサイドラインに引っかかっていた。証拠映像も確認され誤審ではなかったものの、精密すぎる判定は海外メディア上でも驚きの声があがった。

　日本の命運を分けたと言っても過言ではないこの判定シーン。闘莉王氏は「あの背負った場面では細谷選手の足がオフサイドのラインをちょっと越えていたのかもしれないが、それが原因でゴールネットを揺らせたというプレーでもない」と、細谷が見せた一連のプレーを称えながらこう続けた。

「だからこそ残念。だからこそ悔しい。自分も本当に悔しい。でも、少しでも出ていたのならオフサイドというルールの適用になってしまう。ああいうシーンではファウルにしないとなると、ルールが機能しなくなる。ジレンマですね」

　際どい判定に関しては「ブラジルでもこの一戦は生中継されていたが解説も、えーー！っと絶句していた。呆然としていた感じですね」と明かした闘莉王氏。なおこの判定が下った際、テレビ中継で実際のリプレー映像が流れたのは一度だけ。しばらくしてオフサイドラインが引かれた証拠画像が公開されたが、FIFA（国際サッカー連盟）主催試合などとは異なり、瞬時に現れなかった。

　闘莉王氏は「納得しづらい部分は国際映像でオフサイドのシーンがリプレーや拡大画像などで詳細に説明されなかったこと。公正さがない。FIFAの大会ではない部分の悪影響もある」と指摘。日本のゴール取り消しとなったシーンではVARの映像が繰り返し流されず、観る側を混乱させた場面に首を傾げた。