「ピッチ上で最も不運な選手」と“幻弾”に同情 スペイン戦先発11人を英記者採点…「才能の片鱗」を示したのは?
マイケル・チャーチ氏がスペイン戦を採点
パリ五輪男子サッカーの準々決勝が現地時間8月2日に行われ、大岩剛監督率いるサッカーU-23日本代表は、スペイン代表に0-3で敗れた。メダルには手が届かず、ベスト8で敗退が決定。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が先発メンバー11人を採点。オフサイド判定により“幻ゴール”で得点取り消しとなったものの、スペインゴールを脅かし続けたFW細谷真大には最高点が与えられた。
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U-23日本代表のスペイン戦出場メンバー採点(10点満点)
<GK>
■小久保玲央ブライアン 6点
グループステージでのパフォーマンスを考えると批判するのは難しいが、スペインの先制点となったフェルミン・ロペスのシュートに関してはGKのちょっとしたミスだった。とはいえ、2点目に対してできることはほとんどなかった。
<DF>
■関根大輝 6点
スペインのサイドの強さに苦しめられ、この準々決勝では大会序盤ほど効果的ではなかった。それでも大会を通してみれば、才能の片鱗を示した。
■木村誠二 6点
堅実なパフォーマンス。スペインの重要な最初の2点に対しては何もできず。全体的にまずまずの大会だった。
■高井幸大 6.5点
後半にクロスバー直撃のヘディングシュートを放ったが、残念ながら得点にはならなかった。とはいえ、決まっていても0-3の状況では気休めにしかならなかっただろう。フランスの地で将来有望であることを示した。
■大畑歩夢 5.5点
開始直後はナーバスで、比較的単調なパスをコントロールできず、相手にフリーキックを与えてしまった。徐々に落ち着きを取り戻したが、いつものように効果的な攻撃参加は見られなかった。
<MF>
■山本理仁 6点
中盤で普段通りのダイナミズムと運動量だったが、トップクラスの相手にはそれほど効果的ではなかった。
■藤田譲瑠チマ 6点
主審が試合終了のホイッスルを吹いた後に見せた涙が、このキャプテンの苦労を物語っていた。中盤で能力の高さを発揮していたが、スペインのクオリティーには及ばなかった。
■山田楓喜 6点
堅実なパフォーマンスを見せていただけに、ハーフタイムでの交代は少し驚きだった。このウインガーのFKから細谷真大があわや同点という場面もあったが、ヘディングシュートはポストを叩いた。
■三戸舜介 5点
開始11分で先制を許したが、そのきっかけは彼のボールロストからだった。献身的な努力で取り返そうとしたが、日本はファイナルサードの攻略に苦しんだ。
<FW>
■斉藤光毅 5.5点
イスラエルとのグループリーグ最終戦で休養を与えられ、先発に戻ってきたが、この試合では静かだった。最後の15分に代わって出場した佐藤恵允はエリア内に侵入する力をチームに加えた。
■細谷真大 7点
ピッチ上で最も不運な選手。センターフォワードとして素晴らしい働きの後で、わずかなオフサイドの判定で同点ゴールが認められず、前半終了間際のヘディングもポストを直撃した。力強いパフォーマンス。優れたポストプレーと最大限の努力を見せた。
(マイケル・チャーチ/Michael Church)
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。