細谷の同点弾取り消しが分岐点 日本、スペインに敗れて8強敗退…藤田や小久保が涙流す
スペインに0-3で敗戦、東京五輪のリベンジならず
パリ五輪の男子サッカー競技は現地時間8月2日に準々決勝が行われ、日本代表は仏リヨンでスペイン代表と対戦し、0-3で敗れて大会から姿を消した。
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五輪の男子サッカー競技は原則的に23歳以下の選手で争われ、各チーム3人まで年齢制限なくオーバーエイジと呼ばれる選手を起用できる。日本は海外クラブとの調整の結果、2008年の北京五輪以来となる全員が23歳以下の選手で構成されるチームで臨んでいる。一方のスペインは3人フル活用で今大会に臨んだ。
日本はグループリーグD組を3連勝で首位通過し、最終戦でよもやの敗戦を喫しC組を2位通過となった優勝候補スペインと激突することになった。日本は東京五輪の準決勝でスペインと対戦し、0-1で敗れている因縁の相手だ
大岩剛監督は負傷のFW平河悠に代わりMF山田楓喜を起用したほかは大会初戦パラグアイ戦と10人が同じメンバーをセレクトした。
互角の立ち上がりから前半11分、MFフェルミン・ロペスにゴール正面で前を向かれるとそのまま強烈な左足ミドルを許した。今大会好調のGK小久保玲央ブライアンが鋭く反応して腕に当てるも、そのままボールはゴールに吸い込まれた。日本はこのパリ五輪での初失点でビハインドを背負った。
前線でFW細谷真大がポイントを作り、崩しの局面では右サイドからの攻撃が多くなった日本だが、最後のところでスペインの最終ラインがタイトに体を寄せてくる守備に苦しんだ。それでも前半40分、左サイドでDF大畑歩夢がボールを持つとMF藤田譲瑠チマを経由したボールがペナルティーエリア内の細谷へ。相手を背負って受けた細谷は力強く反転して右足ミドルを蹴り込んだ。しかし、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の映像チェックで細谷がわずかにオフサイドポジションにいたとされゴールは取り消しに。0-1のビハインドで折り返した。
大岩監督は後半から山田に代えてFW藤尾翔太を右サイドに投入。1点リードしたスペインが待ちながら日本にボールを持たせる選択をしたこともあり、日本はポゼッション率を高めて敵陣でプレーする回数が増えた。後半22分にFW佐藤恵允を入れると、佐藤は鋭い突破でフリーキックを獲得するなど持ち味を出した。
しかし後半28分、スペインはコーナーキックをマイナス方向に蹴ると、ペナルティーエリアのすぐ外で胸トラップしたロペスが寄せてくる日本守備陣をすり抜けていくようなボレーシュートを放ち、ドライブ回転の懸かったボールに小久保も合わせ切れず痛恨の失点。これで0-2とビハインドが広がってしまった。
日本はあとがない状況で強引なプレスも交えて圧力を掛けたがカウンターを受ける場面も出てしまう。残り5分を切ったところでセットプレーのこぼれ球をFWアベル・ルイスに蹴り込まれた日本は0-3と点差を広げられて試合終了。パリ五輪は準々決勝で敗退となり、大岩ジャパンの挑戦はここで幕を閉じた。
(FOOTBALL ZONE編集部)