背番号「10」が背負う宿命 香川が「常に狙っていきたい」と得点に意欲
無得点が続く日本の背番号「10」
不慣れなインサイドハーフを任されている日本代表のMF香川真司(ドルトムント)は7日、ゴール前の特長を強調し、アギーレ・ジャパンでの生き残りを誓った。
オーストラリアのセスノック合宿中の香川は現在、背負う宿命を自覚していた。
「自分は攻撃で点を取る選手。そこで評価を上げてきた。そこを結果として自分は残していきたい。得点を常に狙っていかないといけない」
最後の代表で決めたゴールは、6月7日の米国で行われたサンビアとのW杯壮行試合までさかのぼらなければいけない。好調時には、鋭い反転スピードと、ピッチを滑るようなスムーズな仕掛けで絶大な決定力を兼ね備える。その背番号「10」は、ここまで本来の力を出し切れず、ブラジルワールドカップ(W杯)、そして、アギーレ新体制でも無得点が続いている。
今季はマンチェスター・ユナイテッドでルイス・ファン・ハール新監督からも、代表と同じインサイドハーフでの活躍が期待されていた。だが、ポジショニング、1対1の対応など、守備面で課題を露呈。香川は適性を見せつけることができず、前線の大型補強を敢行したマンUの強化方針に押し出される格好でドルトムントへと放出された。インサイドハーフで新境地を開くことができなかったことも移籍の引き金となった。
今季2部降格圏に低迷するドルトムントでは、トップ下を務めているが、出場機会を減少させている。一朝一夕で守備面を向上させることは難しい。そこでオフェンス面の長所を前面に押し出し、自らの存在証明をする。
「(インサイドハーフは)ポジション的に少し遅れながら(ボックスに)入る。マイナスでボールを受けることが多い。この前の試合では、あそこのスペースが空いていた。そこは要求していきたい」
3トップのつくったスペースに進出。前を向いた状況でボールを受ければ、香川のゴール、アシストという本来の高度なフィニッシュセンスがより生きることになるだろう。