日本の子供たちに夢を…レアル&バルサも参加「Kaihan CUP」開催 “小学生年代W杯”への第一歩【インタビュー】

ドリブルデザイナー岡部将和氏が「Kaihan CUP 2024-Memorial Alfredo Casas-」 を主催(写真はイメージです)【写真:Getty Images】
ドリブルデザイナー岡部将和氏が「Kaihan CUP 2024-Memorial Alfredo Casas-」 を主催(写真はイメージです)【写真:Getty Images】

ドリブルデザイナー岡部将和氏が主催「Kaihan CUP 2024-Memorial Alfredo Casas-」

 岡部将和氏は“ドリブルデザイナー”として、日本代表選手をはじめ、数々の世界トッププレーヤーに自らが提唱するドリブル理論を伝えている。また、子供たちへの指導にも尽力しており、これまでも国内外で子供に向けたサッカー教室や講演を行ってきた。そんな岡部氏が株式会社海帆とともに開催するのが「Kaihan CUP 2024-Memorial Alfredo Casas-」だ。日本で生活する小学生世代の子供たちが、ビッグクラブに所属する同世代のユース選手と対戦できる貴重な機会となるが、岡部氏はどのような思いで開催を決意したのだろうか。(取材・文=城福達也)

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 今年9月23日にスペインで開催される「Kaihan CUP 2024-Memorial Alfredo Casas-」は日本全国の小学生を対象に、U-8とU-10の代表選手をセレクションで11人を選出し、日本代表としてレアル・マドリードやFCバルセロナ、アトレティコ・マドリードなどに所属する同世代のユース選手も参戦する大会となる。

 セレクションまでの移動費や滞在費、また大会参加の移動費と滞在費まで全額を運営側が負担といった前例にないサポート体制となっているが、岡部氏は「家庭環境を理由にせず、努力を積み重ねている人にチャンスは訪れるんだよということを証明したい」と、その理由を明かし、次のように続ける。

「子供の夢を応援する『ドリーム・デザイン・プロジェクト』に取り組んでいるのですが、これまで海外遠征などをサポートしてきたなかで、才能のある子供でも、家庭にお金がない事情で行けないといった場面を何度も見てきた。どうにもならない環境にある子供を、どうにかできないかという思いがあった。そんな時に、株式会社海帆と出会って、金銭面の壁を取り払おうじゃないかということで、思いが一致して、このような大会を開催することになった。この大会をきっかけに、世界に才能を見つけてもらいたい」

 参加が決定しているレアル、バルセロナ、アトレティコらスペインクラブ以外にも、他国の名門クラブにも声を掛けており、まさにビッグクラブが集う国際的な大会となる見込みだ。

 夢のような舞台に日本の子供たちも参加することが叶うわけだが、その目的として「できるだけ早く“本物”に触れさせてあげること」を挙げており、なるべく若いうちから世界の洗礼を受けることの重要性を説いた。

「実例として、日本では圧倒的に強いと評価されていた小学6年生のチームが、鳴物入りでスペインに渡ってレアル・マドリードのユースと対戦し、0-6で大敗した。子供たちは負けて泣いていたのですが、さらにショックなことに、対戦相手の子供たちは、全員小学5年生という現実があった。つまり年下だったわけです。そういった世界との差を早いうちに知っておくことが大事になる。それに、サッカー面だけでなく、1人の人間として、自分の価値観の中にある安全な環境から一歩踏み出すことが非常に重要な経験となる」

「夢の応援」はサッカーだけでなく多種多様な分野へ

 今夏に開催された欧州選手権(EURO)ではスペインが欧州制覇を果たしたが、主力としてチームを優勝へ導いたのは大会中に17歳になったばかりのバルセロナの新鋭FWラミン・ヤマルだった。

 日本も徐々にA代表の若返りが進んでいるが、世界でも若手選手が代表やチームの顔となり、牽引する存在となっている。岡部氏は「スペインに住んでいて言われるのは『11歳で抱え込みが終わっている』ということ。世界では噂が噂を呼んで、少年期からリストアップされる時代になっている」と、小学生の時点で将来有望な子供たちは主要クラブに発掘され、早々にスター選手への道を歩み始めると語っている。

「日本はどうしても遅れてしまっていて、高校サッカーのスター選手として注目されたとしても、海外のスカウトマンが必ずしも名前を知っているとは限らない。そして、この大会に参戦するバルセロナ、レアルといったユースの選手からは、必ず次世代のメッシ、今のガビやペドリのような存在が現れる。来年の3月に第2回目の『Kaihan CUP』を予定していて、もっと大々的に開催する予定なので、世界の登竜門のような大会に位置付けられたらと考えている。なので、日本の子供たちも、待つのではなく、自分から向かって世界の土俵に立ってほしい」

 岡部氏は「究極は、小学生年代のワールドカップを開催したいと思っている。まずはその最初の一歩目としての『Kaihan CUP』だと思っている」と壮大な目標を掲げる。

 その一方、「このプロジェクトは、決してサッカーが主体というわけではない。サッカーはきっかけにすぎず、あくまで子供の夢を応援するプロジェクトなので、サッカーに限らず、バスケや歌、バレーボールでもダンスでも、さまざまな分野で頑張っている子供にチャンスが巡ってくる機会にしていきたい」と、サッカーを皮切りに多種多様な分野へ活動の幅を広げていく意向を明かし、「今後、プロジェクトの規模をもっと拡大させていくために、さまざまな企業と一緒に展開してきたいと考えている」と、さらなる活動の普及に意気込みを示していた。

[プロフィール]
岡部将和(おかべ・まさかず)/1983年8月1日生まれ、神奈川県出身。PREDATOR URAYASU FC SEGUNDO―バルドラール浦安―Laguna Playas de Salou(スペイン)―湘南ベルマーレ。2015年からドリブルデザイナーとしての活動を開始し、多くのプロ選手や子供たちにドリブルの指導を行う。YouTubeなどのSNSを通じて配信した動画の総再生回数は3億回を超える。

■「Kaihan CUP 2024-Memorial Alfredo Casas-」セレクション概要
【日程】2024年8月9日(金)・10日(土)
【会場】AOBA SKY FiELD(神奈川県横浜市港北区北新横浜1-12)
【募集対象】U-8、U-10のプレーヤー
【募集人数】U-8、U-10各11人
【審査員】岡部将和
【セレクション申込み/募集締め切り:8月5日12時】
※詳細は「Kaihan CUP 2024エントリー」まで

【Kaihan CUP 2024エントリー】 https://test2.scf-tokyo.com/

【メッセージ動画】ドリブルデザイナー・岡部将和氏

■選抜チーム
【U-10】
監督:ハビエル・サビオラ氏(元アルゼンチン代表)
選抜人数:11名
【U-8】
監督:田中隼磨氏(元日本代表)
選抜人数:11名

■「Kaihan CUP 2024-Memorial Alfredo Casas-」スケジュール
【日程】2024年9月23日(月)~10月1日(火)
9月23日(月)日本出発
9月24日(火)スペイン到着 / 調整
9月25日(水)強化親善試合 他
9月26日(木)強化親善試合 他
9月27日(金)マドリードへ移動日
9月28日(土)KAIHAN CUP 2024( DAY1)
9月29日(日)KAIHAN CUP 2024( DAY2)
9月30日(月)マドリード出発
10月1日(火)日本到着

(城福達也 / Tatsuya Jofuku)

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