本田のライバルがデビューも逆転負け 指揮官は「救世主と考えてはいけない」と擁護

獲得を熱望したチェルチが上々のデビュー

 ACミランは6日、サッスオーロ戦に1-2で敗れた。フィリッポ・インザーギ監督は、その試合後、後半途中から起用した新加入のイタリア代表FWアレッシオ・チェルチを「救世主と考えるな」と性急な結果を求めるメディアと、サポーターに忍耐を求めた。
 指揮官は、試合後に衛星放送「スカイ・イタリア」でこう語った。
「チェルチは今季あまり多くプレーしていなかった。我々は辛抱強くならなければいけない。それでも、何回か良いプレーを見せてくれた。しかし、彼がミランの救世主である、と考えてはいけない。私は彼のベストを引き出すために正しいコンディションに戻さなければいけない」
 アトレチコ・マドリードから期限付き移籍で加入したばかりのチェルチは、シルビオ・ベルルスコーニ会長が3年前から獲得に乗り出していたという。そして、指揮官も「私のリクエスト」と熱望していた左利きのアタッカーだった。今季開幕前には、日本代表FW本田圭佑の定位置となっている右ウイングのレギュラー候補として監督自らが獲得を熱望したほどの実力者。現在、アジアカップ(オーストラリア)で不在の本田にとってはポジションを争う最大の脅威となっている。
 指揮官は1-1で迎えた後半20分、チェルチをこの勝負所で投入した。鋭い飛び出しなどでチャンスに絡んだが、チームはカウンターから逆転を許した。期待の補強であるチェルチにはチーム浮上の期待が集まっているが、指揮官は新加入のウインガーを擁護している。
「開始15分は簡単な試合に思えた。我々は猛攻を仕掛けて、エル・シャーラウィが2点目を決める寸前だった。だが。いつものミランではなかった。自分たちを責めなければいけない」
 痛恨の面持ちだった指揮官はさらに「ホームで負ける時には誰か1人に責任があるわけではない。いい練習はできたが、真剣勝負にはいつも危険が潜んでいるものだ」と続けた。
 格下相手の痛恨の逆転負けに、指揮官はその端正なマスクを悔しさでゆがめていた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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