今大会初の「8.0」 女子サッカー界スターが「パスマスター」へ…英記者が見たなでしこ11人

英国人記者がナイジェリア戦の先発メンバーを採点【写真:ロイター】
英国人記者がナイジェリア戦の先発メンバーを採点【写真:ロイター】

英国人記者がナイジェリア戦の先発メンバーを採点

 パリ五輪の女子サッカーを戦うなでしこジャパン(日本女子代表)は現地時間7月31日、グループリーグC組最終戦でナイジェリアと対戦し3-1の勝利を収めた。これによりなでしこは、準々決勝へ進出。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合の先発メンバー11人を採点する。

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 なでしこジャパンのナイジェリア戦出場メンバー採点(10点満点)

<GK>
■山下杏也加 7点
42分に決まった(ジェニファー・)エチギニのミドルシュートに対してできることはあまりなかった。このゴールはさておき、パフォーマンスは安定していて、彼女のディストリビューション(配球)は日本のプレーにおける重要な要素だった。

<DF>
■守屋都弥 7点
5バックの右サイドで出場。ナイジェリアがクイックスタートを切ったなかで開始数秒に突破を許す場面があった。しかし、その一瞬の気後れの後は守備でも攻撃でも力強いパフォーマンスを見せた。

■高橋はな 7点
規律あるバックラインの中で堅実なパフォーマンス。試合を読む力、ボールを持っている時と相手と対峙している時の両方で見せた冷静さが目立っていた。

■熊谷紗希 7.5点
ディフェンスラインを完璧に統率するだけでなく、長谷川唯へのパスで日本の先制点の起点としても貢献。会心のパフォーマンス。

■石川璃音 7点
池田太監督が加えたいくつかの変更のなかで3バックの左として起用された。この21歳にとって間違いなく自信を深めるパフォーマンスだった。

<MF>
■北川ひかる 7.5点
前半アディショナルタイムに勝利を決定付ける素晴らしいフリーキックを決めた。ナイジェリアのGKンナドゼ・チアマカはノーチャンスだった。

■林穂之香 7点
長谷川唯とともにセントラルMFを務め、運動量豊富に勤勉なパフォーマンスを見せた。よりフィジカルなナイジェリアを相手になでしこが試合をコントロールするために奮闘していた。

■長谷川唯 8点
このパスマスターは、なでしこが今大会ベストパフォーマンスを披露したこの試合で、そのクオリティーの全てを発揮した。先制点では植木理子へのスルーパスでナイジェリアのDFをこじ開け、日本を勝利へと導いた。

■浜野まいか 7.5点
前半に日本にリードをもたらす最も簡単なフィニッシュを決めた。この右サイドのアタッカーはポゼッションと守備のタスクの両面で熟練のパフォーマンスだった。

<FW>
■田中美南 7点
なでしこの中に自信を深めるためにゴールが必要だった選手がいたとすれば、最初の2試合で不本意な出来に終わっていたこのストライカーだろう。この試合ではエネルギーに満ち溢れ、適切なタイミングに適切な場所にいて、重要な2点目を決めた。

■植木理子 7点
ナイジェリアの守備を破り、浜野まいかが決めた先制点をアシストした。このウェストハムの選手は、なでしこの前線に粘る強さを与える力強いパフォーマンスを残した。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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