「神様、仏様、小久保様」 パリ五輪代表の絶対的守護神にOB感服「ゴールを奪われる気配もない」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】好セーブ連発の要因はポジショニングの良さ
大岩剛監督率いるU-23日本代表は現地時間7月30日、パリ五輪の男子サッカー・グループリーグ第3戦イスラエル戦で1-0と勝利した。3連勝でグループD首位通過を果たしたなか、その原動力となった1人がGK小久保玲央ブライアンだ。元日本代表DF栗原勇蔵氏は、「ゴールを奪われる気配もない」と、3試合連続クリーンシートを高く評価している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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小久保は前半7分、抜け出したイスラエルFWリエル・アバダのシュートを左足1本でセーブ。後半に入っても35分、36分とイスラエルの猛攻を好セーブでしのいでみせただけでなく、華麗な足技で相手選手を交わす場面もあった。
中2日の過密日程で行われるグループリーグで3試合連続スタメン出場したのは、小久保とMF山本理仁のみで、小久保はフル出場でいずれも無失点に抑え込んだ。
日本代表OB栗原氏は「グループリーグ3試合のMVPは間違いなく小久保」と絶賛。23歳の守護神が見せる抜群の安定感を高く評価する。
「すでに決勝トーナメント進出が確定していたので、イスラエル戦に関して言えば、小久保は無理に出場しなくても良かった。そのなかで起用にしっかり応えて無失点。もはや『神様、仏様、小久保様』という域に入っていますね。ポジショニングがいいから、相手のシュートがいいところに飛んできても、きっちりセービングしている。どんどん自信もつけていて、ゴールを奪われる気配もない。ハイボールへの対応はもう少し見てみたいところですけど、あのサイズで跳躍力まであると隙がないし、パリ五輪は彼の大会ではないかというくらい活躍している」
栗原氏は「流れは日本にある」とし、8月2日の準々決勝で対戦するスペイン戦に関しても「スペインとも対等にやれる」「ここを切り抜ければメダルも見えてくる」と期待を寄せていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。