リバプールは遠藤航を「間違いなく売りたい」 英記者分析…新監督の下で「機能していない」
リバプール番のリンチ記者は「遠藤はリバプールが売却に対してオープンな選手だと聞いている」
イングランド1部リバプールに所属する日本代表MF遠藤航の周囲が騒がしくなってきている。フランス1部マルセイユからのオファーを受けたものの、クラブが放出を拒否したという。このニュースを受けて、リバプールの番記者デビッド・リンチ氏が自身のYoutubeチャンネルで、遠藤についての立ち位置を分析した。
マルセイユのオファー拒否を受けて、リンチ氏が感じたのは「今現在、リバプールには間違いなく(遠藤を)売りたい意志がある」ことだったという。そして、このオファーは実際には少し前に届いたものだと予想し、遠藤の獲得に失敗したマルセイユは、トッテナムからデンマーク代表MFピエール・エミール・ホイビュルクを獲得したと推察した。
その上で「遠藤を追っているのはマルセイユだけではない。いくつかのブンデスリーガのクラブも、遠藤の周りを嗅ぎまわっていると理解しているし、リバプールに来る前にそのリーグでとてもうまくやっていたから、そこに戻る可能性もあるだろう。重要なのは今のリバプールは、選手を売ることに前向きであると感じられることだ」とし、アルネ・スロット新監督が遠藤をどう評価しているかをこう読み解いた。
「私が理解する限り、このプレシーズンで遠藤はスロット監督のプランの下で、それほど機能していない。彼はリバプールが絶対に売却できないと評価する選手ではないし、監督が自身のプランに不可欠だから、どんなオファーが来ても断るというような選手でもない。それが現時点での私の解釈だ。私の情報源からは、遠藤はリバプールが売却に対してオープンな選手だと聞いている。そのため、オファーを断ったから、彼らが残留させたいというところで終わる話ではない」
さらに、リンチ氏は遠藤の理解者であり、強く獲得を希望したユルゲン・クロップ監督の退任も、遠藤の残留にネガティブに働く可能性があると指摘する。「遠藤はユルゲン・クロップの強い希望で獲得した選手だ。昨夏、スカウトチームにいる誰一人として、彼の獲得を後押ししていなかった。それは彼の年齢によるもので、リバプールが30歳の選手を獲得することは異例のことだ。アルネ・スロット監督が来て、彼を見て、より若く、より成長できる余地があり、よりオペレートできる選手を獲得して、あのポジションをアップグレードしようと試みたとしても、大きな驚きではない」と、厳しい言葉が並んだ。
リバプールが、長らくブラジル代表MFファビーニョに代わる新たなワールドクラスの守備的MFを探してきたことは周知の事実だ。今夏にも、守備的MFの補強が噂されているが、リンチ氏は選手の保有数が理に適っていないと感じていたという。しかし、遠藤を放出することになれば、選手数の面でも補強する必然性が生じると言い、あとは遠藤自身の決断もポイントになると指摘した。
「遠藤は以前に『新たなMFを獲得したとしても、リバプールでポジションを争うつもりだ』と言っていた。遠藤が自分の言葉に責任を持つのか、スロット監督と話をして、ここでそれほどプレー時間を得られないと言われて移籍をすることになるか、それはとても興味深い。なぜなら、彼はリバプールとの契約があり、それは尊重されなければいけない。選手自身が『去りたくない』と言えば、残留する可能性もあるだろう。だが、選手が本当に残留して自分のポジションを争うことを望むかどうかは、この先の数日間の展開を確認しなければいけない。事実として私が明確に理解しているのは、アルネ・スロット監督のもとでは大きな役割を得られないこと、リバプールが売却に前向きなことだ」
1400万ユーロのオファーは断ったものの、リバプールはシュツットガルトに支払ったとされる1600万ユーロ(約27億円)に近い額のオファーを受ければ、受け入れるだろうとリンチ氏は予想する。新シーズンに向けて準備を進めている遠藤だが、移籍市場が閉まるまで、その動向が注目される。
(FOOTBALL ZONE編集部)