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A代表のGK問題に終止符!? 大岩J守護神の“パリ五輪経由→森保J行き”をOB推奨「遜色ない」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】2戦連続無失点の小久保玲央ブライアンは「持っている」
大岩剛監督率いるU-23日本代表は、現地時間7月27日に行われた男子サッカーのパリ五輪グループリーグ第2戦でマリを1-0と下し、決勝トーナメント進出を決めた。2試合連続で完封勝利に貢献したGK小久保玲央ブライアンについて、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「A代表の試合で使っても遜色ない」と語っている。
◇ ◇ ◇
初戦のパラグアイ戦で5-0と快勝した日本は、マリ戦でスタメン3人を変更。試合は0-0のまま推移して迎えた後半37分、FW細谷真大が右サイドを抜け出して中央にクロスを上げると、これにファーサイドから途中出場のFW佐藤恵允が合わせ、相手GKが弾いたボールをMF山本理仁が押し込んで先制ゴールを奪った。
しかし、試合終了間際にビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)でMF川﨑颯太のハンドを取られて、PKを献上してしまう。ここでGK小久保玲央ブライアンが相手FWドゥムビアのPKのコースを完全に読み切り、相手のシュートはゴール左外へ。小久保が大仕事をやってのけた。
小久保は後半18分にも相手FWティエモコ・ディアッラのシュートを逆モーションで左手1本のファインセーブ。オフサイドになったものの、後半29分にも最終ラインの裏を取られたシーンでドゥムビアのシュートを止めていた。
日本代表OB栗原氏は、小久保が見せたPKへの対応について、「相手が単に外したように見えるかもしれないけど、ギリギリまで動かなかった。相手はGKを見て蹴ろうと思ったけど、動かないものだから蹴る場所をなくして外してしまった。少なからずプレッシャーをかけていた」と評価する。
小久保は今年カタールで開催されたU-23アジアカップで6試合中5試合に出場。決勝のウズベキスタン戦では、1-0で迎えた後半アディショナルタイムに相手のPKを止めて日本の大会制覇に大きく貢献した。ライバルであるGK鈴木彩艶がメンバーから外れたパリ五輪でも、グループリーグ2試合連続で無失点に抑えている。
栗原氏は「(身長193センチの)小久保が守っているとゴールが小さく見えるし、それだけで武器。いいGKだと思います」とし、今大会後のさらなる飛躍にも太鼓判を押した。
「『持っている』で片付けるのはいけないかもしれませんが、無失点に抑えるのはそれなりの理由がある。映像では分からない声掛けとか、周りを鼓舞する力もあるのかなと思います。鈴木彩艶が悪いわけではないけど、小久保と対照的というか、鈴木はアジアカップでは悪いほうで目立ち、小久保はU-23アジアカップと五輪でいいほうで目立っている。今のA代表はGK問題が深刻で頭が抜けている存在はいないので、小久保をそのままA代表の試合で使っても特に遜色ない気がします。五輪でのアピールは大きい。A代表の正GKに就く可能性も十分でしょう」
小久保の台頭により、A代表のGK争いもさらに活発化しそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。