“流れ無視”に期待、遅れてきたヒーロー抜擢か 平河の代役は…第2戦マリ戦「予想先発」【現地発】
第2戦マリ戦で勝利すれば決勝トーナメント進出が決まる
大岩剛監督率いるU-23日本代表は7月27日(日本時間28日)にパリ五輪グループリーグ第2戦マリ戦に臨む。勝てば決勝トーナメント進出が決まる一戦。大きなメンバー変更はなく、負傷しこの2日間練習不参加だった平河悠の右サイドのみ変更されると予想する。
4月のU-23アジアカップでは初戦・中国戦と第2戦・UAE戦で7人の先発を入れ替えて臨んだが大岩剛監督は「状況が違う」と言う。ある程度メンバーを試すことが可能だったアジアのレベルと、少しでも隙を見せたらやられてしまう五輪本大会では考え方も全く違ってくる。つまり、初戦をベストメンバーだとするならば勝っているチームはいじらないというサッカーのセオリー通り、メンバーはあまり変えない。たとえそれが「誰が出ても変わらないサッカー」を標榜している大岩ジャパンであってもだ。(取材・構成=了戒美子)
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キーパーと最終ライン、アンカーまではいうまでもない。半田陸の負傷によって、内野貴史が追加招集された。内野は半田と同様左右両サイドバックでプレー可能だが現時点では左右それぞれのスペシャリストに信頼と経験があると見る。
インサイドハーフ(IH)より前は、変更の可能性もある。まずIHは山本理仁と荒木遼太郎を組ませ、右サイドに三戸を出す形。だが、チームとして主導権を握ることや、三戸と斉藤光毅の関係性がよく近くでプレーさせたいことを考えると三戸をパラグアイ戦とポジションでプレーさせる。
平河の右サイドは、佐藤恵允も考えられる。パラグアイ戦では突破からチャンスを作り、山本が決めた3点目の起点となってはいるものの、物足りなさも感じさせる。ここは、バックアップメンバーで入った山田楓喜に新しい風を期待したい。山田は、連動性の中からの得点というよりも、流れに関係のない豪快な一発に期待大だ。
マリの特徴はパラグアイとは違うものの、スピード、1対1の強さに特徴を持つ。スピードはタクティカルなスピードというよりも個のスプリント、アジリティー能力によるものが大きい。1対1も同様に個人のフィジカルの強さがあり、崩さずとも攻め切り得点をとることができるのだ。そんなマリにどう対応するかといえば「局面、局面での勝負」が鍵になると大岩監督。それに加えて「ボールを保持している時と保持していない時の連動性」とシームレスな攻守のレベルアップに手応えを指揮官は口にしている。つまり、特にこれまでと変わった戦いをするのではないということだ。
3月の親善試合では京都で行われた試合にもかかわらず1-3で敗れた。ただ、この時からは大きくメンバーも変わるだろうし、日本も経験を積んだ。中でも最後に行ったフランス戦で世界レベルを体感でき、チーム内に基準を得たことが大きいと選手たちは口にしている。すでに敗れたことからくる苦手意識はチームに一切なさそうだ。
(了戒美子 / Yoshiko Ryokai)