「松木玖生の不在」も…最も輝いた「8.5」 パリ五輪・U-23日本代表、初戦出場選手を英記者採点
英国人記者チャーチ氏が採点
大岩剛監督率いるU-23日本代表は、現地時間7月24日のパリ五輪グループリーグ初戦でパラグアイ代表と対戦し、5-0で開幕好スタートを切った。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が出場したメンバーを採点している。
◇ ◇ ◇
U-23日本代表のパラグアイ戦出場メンバー採点(10点満点)
<GK>
■小久保玲央ブライアン 7点
試合をスローダウンさせようとする小久保の意図的な働きは、パラグアイのファンから嘲笑を浴びたが、日本のGKは成熟したパフォーマンスを見せ、試合の主導権を確実に握った。クリーンシートも達成している。
<DF>
■関根大輝 7.5点
右サイドバックというポジションから試合に参加しようとする関根大輝の姿勢は、日本にとって大きな収穫をもたらした。セットプレーや遠目からのシュートでゴールを脅かす可能性を提示しながら、パラグアイ相手に後れを取らなかった。
■木村誠二 7点
木村誠司は高井幸大とともに力強いパフォーマンスを見せ、パラグアイを寄せ付けず、南米勢に比較的少ないチャンスしか与えなかった。チームメイトが時折ミスをしても動揺する様子はなかった。
■高井幸大 6点
パラグアイのマルセロ・フェルナンデスにサイドネットを揺らすシュートを許すなど、やや緩いプレーを見せた。後半開始早々にはフェルナンデスのプレッシャーに耐え切れず警告を受けた。
■大畑歩夢 7.5点
大畑歩は斉藤光毅の絶妙なスルーパスに見事に反応し、パラグアイの守備を打開した。日本の先制点の起点となったこのプレーは、フルバックのポジティブな資質を強調するものだった。試合終盤にミスがあり、好パフォーマンスに輝きが欠けてしまった。
<MF>
■山本理仁 7.5点
試合終盤まで藤田譲瑠チマと並んで堅実かつ静かに効果的な働きを見せていた。試合終了間際、エリア手前から放たれた見事なゴールが日本の勝利を決定付け、素晴らしいパフォーマンスを締めくくった。
■藤田譲瑠チマ 8点
4月と5月にカタールで行われたU-23アジアカップで日本が優勝した時と同じように深い位置から鋭く、ポゼッションで指揮を執り、大岩剛率いるチームの印象的な初日を飾る素晴らしいパフォーマンスを見せた。
■三戸舜介 8点
2つの素晴らしいゴールは、選手とチームの両方にとって力強い開幕戦で日本のスターパフォーマーの1人であることを証明し、その創造性と得点力を顕示した。平河との序盤の交錯は、パラグアイ守備陣を混乱させた。
■斉藤光毅 8.5点
彼の高いパフォーマンスは、日本にとってポジティブなものだった。松木玖生の不在のなか、ディフェンスを解き放ち的確なパスを出す彼の能力はパラグアイを苦しめた。
<FW>
■平河悠 6点
試合の序盤は生き生きとプレーしていた。しかしウィルダー・ビエラにファウルを受け、パラグアイ人FWがレッドカードで退場、平河が負傷交代となると、その影響力は当然のことながら衰えた。
■細谷真央 7点
細谷真央は序盤の45分間は比較的静かだったが、その強さと決断力で三戸に得点のスペースを与え、日本のゴールに重要な役割を果たした。彼の献身的なプレーは日本にとって重要だった。
ベンチスタートの藤尾が2ゴールで存在感
<途中出場>
■佐藤恵允 7.5点
平河の足首負傷を受けて前半終了10分前に投入され、主に右サイドで印象的なプレーを見せた。関根と効果的に連携してサイドに推進力を与えた。
■藤尾翔太 7.5点
開幕戦でベンチとなったのは、Jリーグの調子を考えると意外だったかもしれない。だが彼は2本の強烈なシュートで印象的なプレーを見せ、結果に疑いなくし、次の試合に向けて大岩監督に決断を迫った。
(マイケル・チャーチ/Michael Church)
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。