なぜ欧州移籍は「必要なこと」だった? パリ五輪前の決意、1月から意識していた世界との壁【現地発】

U-23日本代表の平河悠【写真:徳原隆元】
U-23日本代表の平河悠【写真:徳原隆元】

大岩ジャパンはパラグアイ戦に臨む

 大岩剛監督率いるU-23日本代表は7月24日(日本時間25日)、パリ五輪グループリーグ初戦パラグアイ戦に臨む。負けられない一戦を前にFW平河悠は落ち着いた様子だ。

「まあへんに高ぶったりはしていないですが本当に楽しみだなという気持ちが一番。緊張ですか? サッカーで緊張したことがないんですよね」

 右ウイングで、快速を生かした突破、得点に関わるプレーに期待が懸かる。

「予想では5バックで固めてきたり、前線速い選手がいるので狙ってくるイメージも持っていますけど、自分たちでしっかりボールを保持して相手を揺さぶって、積極的にゴールに向かいたいなと思います」

 プレーのイメージも、明確だ。

 特別な、大切な夏になる。今年1月に平河悠はそう意識したそうだ。実際に、平河の状況は大きく動いた。7月3日に発表された五輪代表メンバーに入ると、その6日後にはイングランド・チャンピオンシップのブリストリシティへの移籍が発表された。短期間に、この冬から意識していた2つの目標をまずはクリアしたことになる。

 夏の移籍は、加入するブリストルにとってはシーズン前の補強となるが、前所属のFC町田ゼルビアをシーズン半ばで去るという難しさもある。

「もちろん町田でずっとプレーして活躍するのを1つだとは思うんですけど、やっぱり世界と戦っていく選手になるためにも、その(世界との)壁は排除しないといけないと思っていました。国際試合とかも世代別で増えてきて、国際試合でしか味わえない感覚というのを味わったときに、やはり必要なことだっていうのは感じたので、遅かれ早かれチャンスが来たときには、この移籍は必要なことだとは思っていました。それがこの夏に正式に伝えられて、ブリストルのスタイルは自分にも合っていると思いましたし、ここで活躍できると自分で感覚的にもあったので決めました」

 大岩ジャパンの合宿に合流する直前まで、ブリストルのポルトガルキャンプに参加していたといいコンディションは上々だとも言った。 

 一方で五輪に関しては、実はサッカーに注目していたことはあまりなかったそう。

「自分が五輪に出場するというのはイメージしづらかったんですけど、まさかとは思うぐらいのやっぱり価値のある大会だと思います。でも、そのすごさ以上に責任というのをやっぱ背負って戦わないといけないなという強い気持ちは、今持ってます。とにかく今までやってきたことを100パーセント出したい」

 さらに、大舞台ならではの効果にも期待している。

「自分が今出せる力以上のものを出せる大会だと思うんで、しっかりコンディションを整えて結果を出して、大会が終わったときに、より選手としての価値を高めてメダル取れればいいなと思います」

(了戒美子 / Yoshiko Ryokai)



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