負傷者続出の浦和…続々復活に指揮官「ツールが増す」 見据える「3、4番目の選択肢」
ヘグモ監督は「前線にスピードがあることが望ましい」と言及
浦和レッズのペア・マティアス・ヘグモ監督は、7月18日のトレーニング後に定例のオンライン会見を実施。多くの負傷者が戦線に復帰しつつある状況のなかで、「ツールが増えるという見方をしている」と話している。
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浦和は7月14日の前節・京都サンガF.C.戦で今季初のスコアレスドローとなったが、MF関根貴大とMF大久保智明がスタメン、MF小泉佳穂とFW松尾佑介が途中出場で負傷離脱から復帰のピッチに立った。また、夏の登録ウインドーで欧州からの「逆輸入」で獲得したFW二田理央が途中出場し、MF本間至恩もベンチ入りした。
7月21日の北海道コンサドーレ札幌戦に向け、FW前田直輝や前節途中交代も深刻なものではなかったMFサミュエル・グスタフソン、発熱で京都戦を回避したDF佐藤瑶大の復帰は見込まれ、DF石原広教は出場停止が明ける。DF大畑歩夢がパリ五輪の代表、MF中島翔哉が中断明けの復帰見込み、FWブライアン・リンセンが右足肉離れで離脱、MF安部裕葵は時期を定めずに進めている様子だが、一時の状況からは特にウイングの選手が戻ってきたと言える。
一方で、前日の公開練習後に松尾が「仕掛けられることはいいことだと思うけど、今のチームの良さは両ウイングに時間がコントロールができるとか、あまり前に急がない選手がいるからこそチームの厚みがある。僕とかが入ると、よりショートカウンターとか、ちょっと縦に速い攻撃が少し増えてくると思うので、そういったところを上手くコントロールできれば」と話していた。
ヘグモ監督は、「スピードあるウイングがいれば、背後のスペースを突くことができればそこでボールロストはあるかもしれない。ただ、しっかりやればそこまでオープンにならないだろう。ツールが増えるという見方をしている。特にラインが高いことで背後にスペースを空けるチームには、前線にスピードがあることが望ましい。ただ、それは走るスピードだけでなく判断のスピードも必要になってくる」と、その点について話している。
攻撃面の向上について問われ、ヘグモ監督は「1つの要素について触れるのであれば、選手の戦術的な能力の向上。最初に思いついたことだけでなく、1つ、2つとプランを持ち、さらに状況を見て3番目、4番目の選択肢を取る能力が上がってきた。浦和のサッカーの攻撃で、それが特徴になってくれればと思う。攻撃の中でたくさんのツールを持つことにもなる。使うべきスペースの読みのこと。つなぎながら前に行くのか、よりダイレクトに背後を使うのか。ボールを持った時にさらに自信を持ってプレーできれば」と話した。
本来ならシーズン前半戦から、今季に向けて獲得したサイドアタッカーの強みを生かすサッカーを前面に押し出すプランだったことが予想されるが、現実的には負傷者が続出したことで違った形での戦いが長くなった。本来の陣容が整いつつあるなかで、改めてどのような形でチームが形作られていくのか注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)