アジアの戦いに挑む森重 「ボールをどうゴールまで持って行くかが課題」
初出場のアジアカップ
日本代表のDF森重真人は5日、アジアカップ連覇のカギに攻撃の組み立ての向上を挙げた。初の本格的なアジアの戦いを前に、森重は最終ラインに潜むコンダクターとして攻撃の起点を担うことを誓った。
この日、森重は「徐々に気候にも慣れていければ」と語った。寒の入りを迎えた日本と、南半球のオーストラリア。開幕までに環境の変化への適応を口にする。だが、彼が挙げた課題はそれだけではなかった。森重は「ボールは保持できると思うので、どうゴールまで持って行けるかが課題」と話す。
昨年のブラジルワールドカップ(W杯)本大会にも出場。アギーレ体制発足以来、DF吉田麻也とセンターバックでコンビを組み、主力を担っている。だが、森重が代表復帰を果たしたのはブラジルW杯アジア最終予選以降。そのため、本格的なアジアでの戦いを経験するのは、この初出場のアジアカップからとなる。
臨んだ前哨戦のオークランド・シティとの練習試合では、その課題が浮き彫りとなった。
「(オークランド戦は)ある程度、相手が前から来た分、前に前に早くなった印象がある。相手が引いてくることを想定して早くボールを回したり、我慢強く横にボールを動かしていくことも必要。そして、攻撃に出て行くときは、相手のカウンターを恐れずにいきたい」
ポゼッションスタイルを貫いたザック体制では、攻撃の組み立てにも明確な意図や、約束事が反映されていた。だが、アギーレ体制では、まだまだそうした部分が見えてこない。森重は最終ラインからパスで組み立てる能力にも秀でている。彼の鋭い縦パスと、判断力は課題克服の一助となるだろう。
クラブでは主将を務める男はこうも語った。
「話し合いで解決することもある。しっかりと話し合っていきたい。後ろの状況を前に伝えながら、前の意見も聞きたい」
対話を重ね、このアジアカップでブラッシュアップを図る。その先には、大会連覇が見えてくるはずだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images