スペイン代表ヤマル、異例の記録ずくめに海外脚光

　欧州選手権（EURO）を制したスペイン代表のFWラミン・ヤマル（FCバルセロナ）は17歳と1日という史上最年少記録で決勝のピッチに立った。英公共放送「BBC」は記録ずくめの神童について「メッシやロナウド、ムバッペやハーランドでさえ比べ者にならない」と称賛していた。

　ドイツで開催されたEURO2024でスペインは圧倒的な強さを示し、グループリーグから決勝まで7連勝での完全優勝を果たした。決勝では前回大会準優勝のイングランドと対戦。スペインは後半2分にFWはニコ・ウィリアムズのゴールで先制すると、一度は同点とされるも、後半41分に途中出場のFWミケル・オヤルサバルが決勝点を奪った。

　ヤマルはニコの先制ゴールをアシストするなどこの決勝の舞台でも得点に絡み、今大会通算1得点4アシストで優勝に大きく貢献。「BBC」によれば計5得点への関与は今大会最多だ。そして、17歳1日での決勝戦への出場は「EUROとワールドカップ（W杯）の決勝における史上最年少記録」としてレポート。1958年スウェーデンW杯でのペレ氏の記録（17歳249日）を塗り替えた。

　所属するバルセロナでの史上最年少リーガデビュー（15歳290日）をはじめ、スペイン代表史上最年少デビュー（16歳57日）、今大会でEURO最年少得点記録（16歳362日）など次々と記録を打ち立ててきたヤマル。10代からトップレベルで活躍してきた名選手たちはこれまでにも存在していたとはいえ、17歳で欧州王者となった代表チームのレギュラーともなれば近年稀に見る異例中の異例。「BBC」もその異質さをこう表現している。

「アルゼンチンのメッシやポルトガルのロナウド、この世代最高の2人でさえ、16歳ではクラブのファーストチームや代表では1試合もプレーしていなかった。そしてメッシやロナウドに代わって未来のバロンドールを争うと見られるフランスのキリアン・ムバッペやノルウェーのアーリング・ハーランドでさえこの年齢でのステータスではヤマルとは比べ物にならない」

　底知れぬポテンシャルを持つヤマルはこれからもサッカー界の歴史を塗り替えていくはずだ。その活躍から目が離せない。