EURO準優勝で失意…英代表監督は続投すべき? 現地見解「名誉ある敗北だが大きな問題を反映」

イングランドのサウスゲート監督【写真:ロイター】
イングランドのサウスゲート監督【写真:ロイター】

イングランドは2大会連続で準優勝…サウスゲート監督の限界か

 イングランド代表は現地時間7月14日、EURO(欧州選手権)2024決勝でスペイン代表と対戦し、1-2で敗れた。大会屈指のタレントを擁するイングランドだが、2大会連続で準優勝フィニッシュ。ガレス・サウスゲート監督が自身の去就について明言を避けたなか、現地メディアは「名誉ある敗北だが…この結果はもっと何か大きな問題を反映している」「ガレス、思い出をありがとう。でも、さよならの時だ」と取り上げ、現体制の限界や変革の必要性を説いている。

 前回準優勝に終わったイングランドは、今大会も優勝候補の一角として臨んだなか、グループリーグではセルビア戦(1-0)、デンマーク戦(1-1)、スロベニア戦(0-0)と低調なパフォーマンスが続いていた。しかし、決勝トーナメント進出に伴い、これまで固定してきた4バックから、大会前にあまり準備してこなかった3バックに戦術を変更すると、準々決勝スイス戦(1-1/PKスコア5-3)、準決勝オランダ戦(2-1)と改善に成功し、悲願の優勝に向けて追い風が吹き込んでいた。

 一方、スペイン戦では守備を念頭に置いてか、再び4バックに採用。MFジュード・ベリンガムを左サイド、MFフィル・フォーデンをトップ下に配置する采配に打って出たが、左サイドのベリンガムとDFルーク・ショーの間に生じたギャップをスペインに立て続けに狙われる展開となり、後半2分にそのスペースから崩され、先制点を献上。同28分に途中出場のMFコール・パーマーのスーパーゴールで同点に追い付くも、同41分に決勝弾を奪われ、1-2で敗戦を喫した。

 サブメンバーを含め、ワールドクラスの陣容を揃えるイングランドだが、またも決勝で涙をのんだ。英公共放送「BBC」は試合後のサウスゲート監督のコメントを紹介しており、「今、何かを決めるのは適切な時期ではない。選手たちがここまで導いてくれたことは多大な功績だが、ここまで来たからにはチャンスを掴まなければならなかった。このチームの大半は次のワールドカップ(W杯)、EUROでも活躍するだろう。楽しみなことだろうが、現時点では何の慰めにもならない」と、自身の去就について明言を避けていた。

 英紙「インディペンデント」は「2026年にW杯が開催されるが、サウスゲート監督がその場にいるのかは不透明だ。名誉ある敗北だが…この結果はもっと何か大きな問題を反映している。前回も今回も、サウスゲートを真っ向から非難するのは難しい。先発メンバーは間違っているかもしれないが、交代カードは上手く機能した。だが、問題なのは何がもっと必要なのかということ。つまり、『結果主義のサッカー』を実行する監督にしては、優勝するのに十分でないのではないか」と、現体制の限界、そして変革の必要性についても触れている。

 また、英メディア「JOE」は「ガレス、思い出をありがとう。でも、さよならの時だ。サウスゲート監督に対する将来の疑問符は、特にチームの戦術面への懸念は、この6週間にわたって見出しを飾っており、ファンも8年間の指揮に終止符を打つべき時が来たと確信している」と指摘。圧倒的な個の力でねじ伏せるサッカーで決勝まで勝ち上がってきたイングランドだが、明確なチームコンセプトをピッチで体現するスペインを前に力負けすることになった決勝戦は、今後のイングランドが目指すべき指針を改めて考えるきっかけとなるのかもしれない。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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