止まぬ町田の快進撃…黒田監督「クロスから失点は1点もない」 “勝利の方程式”に自負

黒田剛監督が勝ち点3に手応え【写真:(C)  FCMZ】
黒田剛監督が勝ち点3に手応え【写真:(C) FCMZ】

東京ヴェルディとの“東京クラシック”で1-0勝利

 FC町田ゼルビアは7月14日にJ1リーグ第23節で東京ヴェルディとの“東京クラシック”に臨み、前半6分にオウンゴールで挙げた1点を守りきって白星を挙げた。チームを率いる黒田剛監督は、リードを広げる2点目を奪いにいくことよりも、自慢のディフェンスで1点を守り切る「勝利の方程式」に則って得た勝点3に手応えを感じていた。

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 味の素スタジアムに町田からもおよそ4000人のサポーターが駆けつけた熱戦は前半6分に試合が動いた。町田の右サイドバックDF鈴木準弥の蹴り込んだクロスは、パリ五輪代表FW藤尾翔太と競り合った東京VのDF谷口栄斗の足に当たってゴールイン。5-0で勝利した前回対戦でもクロスからチャンスを演出していた鈴木の先発起用が的中する形となった。

 特に後半には東京Vに決定機を何度か作られる場面もあったなか、GK谷晃生のビッグセーブもあり、町田は虎の子の1点を守りきって勝利。リーグ戦3連勝を飾った。

 黒田監督は「かなり湿度が高く、疲弊する選手たちも出てきた。後半には3枚替えをしたり、もう一回息を吹き返そうと前からプレスを行けるようにメンバーを代えていきましたが、そのなかでもかなり疲弊が早かった」と選手たちの疲労を考慮に入れながらの選手起用をしたと試合を振り返った。相手に攻め込まれる時間帯もあったが、昇格1年目ながら首位を走るチームの堅守をベースとした“勝利の方程式”はこの日も崩されることはなかった。

「後半、ヴェルディさんの持ち前のテクニカルなサッカー、パスワークが出てきたなかで我々は粘り、守勢になりながらも、この1点をしっかりと守り切って1-0で勝ち抜こうと。そういった勝利の方程式というものを彼らにハーフタイムで再確認しながら戦いました。我々は、2点目を取りにいくということよりも1点を死守していくこと。それが次のゲームにつながっていくということを選手全員がしっかりと捉えて志向してくれていると思います」

 23試合で17失点はガンバ大阪と並ぶリーグ最少失点。「今年はクロスからの失点は1点もありませんし、そういった我々の強み、町田の守備コンセプトを遵守することで失点は絶対にしないと選手たちも確信を持ってやってくれている」と指揮官が語るように、町田はクロスへの対応には絶対的な自信がチームに備わっており、強さを支える重要なファクターとなっている。

 主力だったFW平河悠がイングランド2部ブリストル・シティへ期限付き移籍し、ここまでチーム最多8得点の藤尾もパリ五輪出場のためにこの試合を最後にチームを離脱する。次節に向けて懸念材料もあるが、それでも黒田監督は「こういう状況で穴もどんどん出てきますけど、チームや一体感を持って、またチームが一丸になれるタイミングだと思っていますので、しっかりとここでもう一回まとまれるようにマネジメントをしていきたいと思います」とチームの充実ぶりに手応えを示した。東京V相手に会心のゲームを見せた町田の快進撃はそう簡単に止まることはなさそうだ。

(石川 遼 / Ryo Ishikawa)



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