待たれる「ニューヒロイン」誕生 なでしこジャパン、パリ五輪へガーナ戦で見えた“好材料”
なでしこジャパンはガーナ戦に4-0で勝利
なでしこジャパン(日本女子代表)はパリ五輪へ向けた壮行試合として、7月13日に金沢ゴーゴーカレースタジアムでガーナ女子代表と国際親善試合を行い、4-0で勝利した。後半に途中出場したアタッカーがキレを見せ、20歳のFW浜野まいかは1ゴール1アシストを記録。本大会に向けて明るい材料が出た。
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日本は前半に4-3-3を採用したが、攻撃の機能性はあまり高まらなかった。相手が退場者を出したなかでハーフタイムにMF宮澤ひなたから浜野への交代を実施し、3バックへ変更するとボールの回りも良くなった。その中で後半6分に浜野のラストパスからFW田中美南が先制ゴール。さらに後半20分、右コーナーキックを田中がニアサイドでコースを変え、ファーサイドの浜野が押し込んで2-0とした。
また、2点差がついたあとにDF清水梨紗との交代で右サイドに投入されたFW清家貴子は、WEリーグ得点王の能力を生かすのとは違ったポジションだったとはいえ、サイドからキレのある動きを見せ決定機を演出するなど攻撃面での良さを出した。
浜野は試合後に「自分自身にフォーカスして、相手も10人で少し余裕を持って自分のできることを精一杯やろうと。もちろん先発で出たいのはあるけど、後半から出ても変わらず今どういうプレーがチームに必要か考えて入るようにしている。目指すところは金メダルなので、そのために自分がニューヒロインのようにならなければいけないのならなるつもり」と話した。
一方の清家は「想定していたより足が最後に伸びてくるところなど、ナイジェリアとの対戦を想定しても経験できて良かった。相手が10人というのもあるけど本大会で中2日の戦いでナイジェリアは3戦目だし、ああやって相手が(体力的に)落ちてくることもあるかもしれない。今日は攻撃の部分で自信がついたし、フランスに入って少し時間もあるので守備のところはそこで詰めていきたい」と話した。
なでしこジャパンはパリ五輪でスペイン、ブラジル、ナイジェリアと対戦する。もちろん浜野や清家をスタメン起用するパターンも考えられるが、すべてが中2日の戦いとなるだけに後半の勝負所でギアを上げられる選手の存在は重要度が高い。その点で言えば、相手が10人だったとはいえオプションになり得る選手たちに結果と自信になるプレーが出たのは国内ラストマッチの収穫になったと言えそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)