J外国籍監督が見た日本の“酷暑” 想像以上も…対策を評価「スタッフの知識にはいい驚き」
浦和のヘグモ監督は暑熱対策を徹底
浦和レッズのペア・マティアス・ヘグモ監督が7月12日のトレーニング後に定例のオンライン会見を実施。この時期からの暑さ対策について、「メディカルスタッフやフィジカルコーチの知識にはいい驚きがある」と話した。
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ヘグモ監督は過去に母国ノルウェー代表の監督を男女とも歴任し、クラブチームはノルウェーと隣国スウェーデンで指揮していた。そのため、日本での活動は今季就任した浦和での監督業が初めてとなる。特にここ10年ほど、日本にやってきた外国人選手や監督はリップサービスの意味合いを含むこともありそうだが、必ずと言っていいほど「日本の夏の暑さは想像以上だ」とコメントしてきた。
現在は浦和の本拠地を含む関東地方は梅雨だが、前節7月6日の湘南ベルマーレ戦は雨の影響もあったとはいえ、試合開始時点でも気温30度ほどあったうえに湿度も高く、試合中に飲水タイムも採用された。実質的に見れば、すでに夏場の戦いが始まっている。
ヘグモ監督は「今は暑熱に順化させている時期で2週間くらいかかるもの。選手にも注意を喚起している」としたが、「暑い中でプレーすることに対してメディカルスタッフやフィジカルコーチが持っている知識にはいい驚きがある。このクラブに暑熱対策への豊富な経験と知識があることを嬉しく思う」と話した。
トレーニングや普段の行動について「選手個人がいかに対応できるか。生活の中でも暑熱に順応する行動を取らないといけない。例えば練習前後の体重を比較すれば、2リットルほどの水分を失っている選手もいる。水分補給でそれをできるだけ少なくすることと、練習前後のクーリング、体温を下げることも必要だろう」と、個々に対応すべき点があることを指摘する。
いかに効率的な試合運びができるか
一方で、Jリーグが夏場の試合について強度が落ちるとデータを発表していて、それも2026年にシーズン移行をする根拠になっているが、試合を上手に乗り切る方法としては「私たちのスタイルはボールを保持しながら攻撃するもの。それはボールを追いかけるより体力の消耗が少ないだろう。相手ボールの時、例えばゴールキックやスローインにはしっかりプレスをかけボールを奪いに行きたい。相手がすでにボールをコントロールしている流れでは、どこでプレスを掛けるかが相手によって変わってくる」と話した。
湘南戦は先制を許し、後半に逆転したものの試合終了間際の2失点で2-3の敗戦を喫した。主将のMF伊藤敦樹が「前半からハマっている感覚はなかったけど、やられる感覚もなかった。それはそれで良かったと思うけど、労力のところで言うと少し走らされている感はあった。それが蒸し暑さもあって、自分たちの足が止まってしまった。相手は勝つしかない状況で運動量や強さで結果に出てしまった」と振り返ったように、夏場の戦いで失敗する典型的な形だったとも言える。
今季の浦和は負傷者が多いことも一因だが、全体的に見て効率的な試合運びができていないことが多い。日本の夏が初体験となるヘグモ監督を知識などの面からクラブがバックアップしながら戦うことも必要になりそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)