「Jリーグから招集は難しい」 元日本代表DFが思う欧州志向の風潮と国内から代表入りの意義
森重真人は五輪メンバーになった荒木と野澤にエール
FC東京の元日本代表DF森重真人は、7月3日のパリ五輪代表メンバー発表を、かなり特殊な状況下で迎えた。この日、森重はパリ五輪世代のMF松木玖生と小学校訪問を行い、地元の小学生たちと体育館でサッカーをするなど触れ合った。代表メンバー発表前に松木は体育館を離れたが、森重はその場に残って大岩剛監督が1人1人メンバーを読み上げる様子を設置されたモニターで見たのだ。
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FC東京のGK野澤大志ブランドン、MF荒木遼太郎の名前が読み上げられて会場は沸き上がったが、松木の名前は最後まで呼ばれなかった。直前まで会場にいた同年代の象徴的選手の名前がなく、重い雰囲気になったなかで森重は子供たちと野澤と荒木の選出を喜ぶとともに、「今選ばれたからいい、今選ばれなかったからダメっていうわけじゃない。悔しい思いをしたから、ここからまた頑張ろうと思えることが大事」と語りかける神対応ぶりを見せた。
7月4日のチーム練習後、取材に応じた森重はこの時の舞台裏を明かして「(みんなで見ると)先に言ってくれないと。いきなり『じゃあ、今から見るか』という感じだったので」と苦笑しつつも、「話を(松木から)変えたわけじゃないですけど、選ばれている(荒木)遼太郎と大志(野澤大志ブランドン)がいるんで、みんなで応援したいなと思ったんです」と、機転を利かせられた背景を語った。
前回の東京五輪は欧州組が7人、今回のパリ五輪は6人となっている。Jリーグ勢の招集が減っているなかで、FC東京からは2人を送り出せた。森重は「オリンピック代表もそうですし、日本代表も、やっぱり今の時代、Jリーグから招集されるのは難しいですけど、そういうことがチームにとって刺激になる。同世代だったり、下の年代の選手たちも刺激を受けるので、チームにとってもすごくいい影響があると思う」と、荒木と野澤が選出された意義を強調していた。
(河合 拓 / Taku Kawai)