浦和新主将の本音「引っ張るのは得意じゃない」 思い浮かべた大先輩の“偉大な背中”

浦和レッズの伊藤敦樹【写真:轡田哲朗】
浦和レッズの伊藤敦樹【写真:轡田哲朗】

新主将に伊藤敦樹が就任、6日の湘南戦が正式就任後の初ゲームに

 浦和レッズの新キャプテンに就任したことが発表されたMF伊藤敦樹が、7月2日のトレーニング後に取材対応した。キャプテン像について「これから」としたものの、浦和のキャプテンとして最も印象に残る存在を元日本代表MF阿部勇樹氏だと話した。

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 浦和は6月下旬に入り、今季スタート時点の主将だったDF酒井宏樹に加えDFアレクサンダー・ショルツ、MF岩尾憲といったここ数シーズンのチームを支えてきた主力級の3選手が海外や国内他クラブへの移籍でチームを離れることが発表されていた。そして、浦和は7月1日に伊藤のキャプテン就任と、2022年に主将の経験があるGK西川周作が副キャプテンになることをアナウンスした。

 伊藤は3-0で勝利したジュビロ磐田戦でキャプテンマークを巻き1ゴール、2アシストの活躍だった。先制ゴールのDF石原広教が試合後に「敦樹のキャプテンとしての初陣だったので勝ちたかった」と話したように、新キャプテンの存在は示唆されていた。正式発表はこのタイミングだったが、実際には磐田戦の数日前にペア・マティアス・ヘグモ監督から伊藤と西川が呼ばれ、トップチームの強化責任者を務める堀之内聖スポーツ・ダイレクター(SD)も同席の上でキャプテン就任の打診を受けたのだという。

 そこで伊藤は「迷いなく決断した。やらないといけないと思っていた。嬉しかった」と、その時の思いを話した。

 キャプテンとしてどのような存在になっていきたいかという点で、伊藤は2021年の入団年に1年間チームメートとしてプレーし、下部組織時代には長年トップチームのキャプテンを務めていた阿部氏の名前を挙げた。そして「キャプテンにも色々とあると思うけど、自分もどちらかと言えば声を出して引っ張るのは得意じゃない。チャレンジはしたいけど、阿部さんのようにみんなに付いてきてもらえるような姿勢を見せていきたい」と話した。

 現在は浦和ユースのコーチを務める阿部氏は現役時代、自らのキャプテン像について「後ろから見守る感じ」と話し、どちらかと言えば脱落していく選手が出ないように気遣っていくような姿を見せていた。一方で、チームの結果が出ないときはファン・サポーターと対話する姿を見せ、あるいは試合中にチームを鼓舞する姿もあった。

 一方で、プロキャリアの中では岩尾と2年半にわたってダブルボランチを組んだことで感じたキャプテンシーに「学ぶことが多かった」と話す。ピッチ上での問題点を周囲と解決していくことができる存在としての期待も懸かり、自身も「プレーの切れ目など、今どうしたらいいのか。耐えるべき時間帯なのかなど、コミュニケーションを取っていきたい」と話した。

 8月に26歳になる伊藤は浦和の中での中核世代。前述の石原も含め、前後2歳ほどの同世代も多い。それだけに「支えようとしてくれている」と周囲からの姿勢も感じると話す。地元育ちで幼少期に応援していたクラブの下部組織で育ち、大学を経由してトップ加入。正式発表後のキャプテン初戦は、伝統の浦和駒場スタジアムで迎える7月6日の湘南ベルマーレ戦になる。シーズン後半戦の巻き返しを狙う浦和のなかで、伊藤が果たす役割は大きなものになりそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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