FC東京に落ちた影「話にならない」 一瞬の隙で失点…暗い表情に差すベテランの光明
失点場面でマークに付いていた岡「守備でボヤっとした時間帯の失点は悔しい」
FC東京は6月30日、J1リーグ第21節で好調のアビスパ福岡をホームに迎えた。前半から積極的なプレスで相手に自由を与えない試合展開となったが、後半の一瞬の隙を突かれ失点。0-1で勝利を逃した試合後、選手たちは一様に暗い表情をしていた。
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試合はホームチームがボールを握る流れで進んだ。前半開始からMF松木玖生や小泉慶などが起点となり、前線のFW仲川輝人のスピードを生かした迫力ある攻撃を見せる。ハーフタイム明けには、最前線のFWディエゴ・オリベイラの献身的なポストプレーと仲川のコンビネーションが際立つ形に。そこから左サイドバック(SB)の日本代表DF長友佑都や、サイドのFW安斎颯馬も関わるようになる。
後半9分には敵陣右サイドの深い位置でフリーキックを獲得。際どいボールがペナルティーエリア内へ飛んだなか、競り合いの際に味方同士が接触し負傷するアクシデントが起こってしまう。
頭部で接触したDF森重真人と安斎はしばらく倒れ込む。数分後に森重は先に立ち上がり、安斎は治療を施したうえで5分ほど経ってからピッチに戻った。ゲームの流れが一時切れる時は、集中力も途切れやすい。その後両チームの選手交代を挟んだのち、FC東京に一瞬の隙が生まれる。
後半21分、交代で入ったばかりの福岡DF小田逸稀のクロスにMF重見柾斗がゴール前で合わせて先制。重見をマークしていたFC東京のCB岡哲平はその場で失点の悔しさを滲ませる仕草をしていた。
岡は試合後「悔しいというか……。もっと自分たちが優位性を持ってやれたのに仕留められなかった攻撃のクオリティー。そして守備でボヤっとした時間帯の失点は悔しい」と言葉を詰まらせる。自身のマークでもあっただけに、福岡のしたたかさに屈した形となった。
「立ち位置だったりそういう面で修正が必要。結果的に負けてしまったことが本当にネガティブ要素でありますけど、でも切り替えて前向きに次の試合に向けて、自分がああいうシーンを防げるようにいい守備をしたい」
険しい表情で反省を語った岡。22歳の大卒Jリーガーで、この福岡戦が今季リーグ戦4戦目の出番だった。攻守で前半から安定感を見せていただけに、失点の場面で防ぎきれなかった瞬間は苦しいものだったはずだ。
また後半30分から出場し、怪我明けで5月26日以来の公式戦復帰となったFW遠藤渓太も、「一瞬の隙を突かれた。悔しい」とベンチから見た失点シーンに言及。「メンバー入っていない選手からしたら、あんな(失点)納得できないと思うし、話にならない」と厳しい言葉を紡いだ。
そのうえで「時間的にも自分がサイドで受けられる時間は少なかったですし……難しい試合でしたね」と語りつつ「自分のような(選手は)次に向かって進んでいければと思う」といった前向きな姿勢も垣間見せていた。
アクシデントで負傷しピッチから下がった安斎は、ミックスゾーンに現れず。こちらの怪我の状況も心配される。選手たちの暗い表情も目立った一方、先発出場した37歳DF長友佑都(後半30分までプレー)は試合後に取材を受ける後輩の背中を叩いていた。決意も含む、味方に安心を与えるような表情。颯爽とその場を去っていったベテランの存在が、FC東京にとって1つの好材料となっていくかもしれない。
(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)