川崎主将、難敵広島の対策案は「3日前の湘南戦」 過密日程を逆手にとった「3バックの攻略法」

川崎は広島と対戦し1-1のドロー【写真:徳原隆元】
川崎は広島と対戦し1-1のドロー【写真:徳原隆元】

川崎は広島に1-1のドロー

 川崎フロンターレは6月29日、J1リーグ第21節でサンフレッチェ広島と対戦し、1-1と引き分けた。試合の大半でリードしながらも、終盤に同点弾を許す展開となった一方、試合内容としては上位争いを演じる広島相手に強みを発揮させない戦いを示した。主将を務めるMF脇坂泰斗は「ポイントになったのは、3日前の湘南戦だった」と、過密日程を逆手にとった広島対策を振り返っている。

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 直近3戦未勝利で14位に位置する川崎だが、序盤から果敢に攻め込むなかで迎えた同23分、ペナルティーエリア外から左足を振り抜いたMF瀬古樹のミドルシュートが広島守備陣に当たって軌道が変わり、相手GK大迫敬介が辛くも弾き返したこぼれ球をFWマルシーニョが押し込んで、先制に成功。その後も攻め込む展開が続いたなか、後半43分に一瞬の隙を突かれる形で相手MF満田誠に同点弾を許し、1-1の引き分けに終わった。

 スタッツでは、枠内シュート数、走行距離、スプリント回数で川崎が上回った一方、パス成功数とポゼッション保持率では広島の方が高い数字を記録。ポゼッションサッカーで一時代を築いた川崎が、ハイプレスサッカーの広島を相手に、強度のあるプレッシングとカウンターで幾度となくチャンスを創出した一方、広島の本領を最大出力させない守備も光った。

 上位チームの広島に思うようなゲームをさせなかった要因について、脇阪は「僕らも広島さんも、中2日での試合で、2日間しか準備できないなかで、ポイントになったのは、3日前の湘南戦だった」と、広島戦の3日前に行われた第20節湘南ベルマーレ戦(1-1) を挙げた。

 準備期間が少なかったなかで「湘南戦で、3バックの攻略法、具体的に言うと、3バックの同サイドのセンターバック(CB)を引き出して、そのサイドのスペースにランニングすると相手の対応が難しくなることは手応えとしてわかっていたので、そこは広島戦のポイントとして意識していた」と解説し、広島と同様に3バックシステムを採用している湘南戦が、結果的に広島戦に向けた対策になったと明かしている。

 敵将のミハエル・スキッペ監督が記者会見で「今日の試合では、これまであまり起こらなかった中盤真ん中でのボールロストが目立っていた」と振り返ったなか、脇阪は「中野選手、佐々木選手、塩谷選手に対してうまくプレスで引っ掛けていければ、出しどころが窮屈になるので、そこを詰めることが大事だった」と解説。最終ラインの選手に余裕のないパスを出させることで、中盤エリアでボールを奪うことができていた。

 水曜日に試合を消化し、すぐに土曜に試合へと臨む厳しいスケジュールを強いられたなか、互いにできることは限られていたが、川崎は湘南戦を広島戦対策に組み込み、効率的に過密日程を利用していたようだ。

(城福達也 / Tatsuya Jofuku)



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