浦和のダブルボランチが秘めた可能性 監督は「柔軟性」を重視「どちらでも伊藤敦樹は得意」

ヘグモ監督がチームのダブルボランチ採用に言及【写真:徳原隆元】
ヘグモ監督がチームのダブルボランチ採用に言及【写真:徳原隆元】

ダブルボランチは現実的なオプションであることを明かす

 浦和レッズは6月28日のトレーニング後にペア・マティアス・ヘグモ監督の定例オンライン経験を実施。ダブルボランチの採用について、スウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンが復帰した後も現実的なオプションになるという見解を示した。

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 浦和は26日の名古屋グランパス戦に1-0で勝利したが、試合のスタートから今季初めてダブルボランチを採用した。これまで途中交代のタイミングでシステム変更をすることがあったが、名古屋戦はMF伊藤敦樹とMF安居海渡を並べ、MF渡邊凌磨をトップ下に配置して入った。グスタフソンが離脱中という関係もあり、ヘグモ監督は試合後に「怪我人がいたりして、どの選手が起用できるのかは考慮しないといけない」と話した。

 その中で30日のジュビロ磐田戦に向け、グスタフソンの状況についてヘグモ監督は「練習で良くなってきていた中で少し発熱もあったので、明日の状態を見ないといけない」と話した。一方で、名古屋戦後にダブルボランチの採用については「(Jリーグは)ロングボールを使うチームが少なくない。その時にはセンターバックの前にダブルボランチを置くことでこぼれ球を拾いやすい」という戦術的な理由も語っていただけに、今後の方針が気になるところだ。

 それについてヘグモ監督は「サミュエルがいてもいなくても、アンカーとダブルボランチのオプションを切り替えていきたい。まずは浦和にとってどの形がベストかを考える。相手によって戦術的なアプローチも変わる。例えば水曜日の試合(名古屋戦)を思い出せば、どちらの形でも伊藤敦樹は得意だと思う。チームとして戦術的な柔軟性を持つことはこれから発展させたい」と話す。

 そのうえで「ミーティング、選手たちとの話もしていきたいと話してきた。選手たちが当事者意識を持つことも大切。監督が言っていることを実行するのみだと私の能力がチームの限界になる。伊藤敦樹や渡邊凌磨、安居海渡が試合中に話し合って解決できればいい。現代サッカーでは選手たちが状況に合わせながら柔軟に対応できればいいと思う」と、選手間で試合中に柔軟な変更をすることも許容する考えも示した。

 ただし、その違いについて「例えば4-2-3-1でプレーしていても伊藤敦樹が挙がって安居海渡が戻り、渡邊凌磨が左に行けば攻撃面では4-3-3と同じになる。相手がロングボールを多用するなら、2センターバックと2ボランチで4枚のブロックを作ることでこぼれ球を拾いやすくなる。それはダブルボランチのメリットだろう。あとは関係性のところ、相手がライン間のハーフスペースを使おうとするときにダブルボランチは対応しやすいが、4-3-3でもインサイドハーフを早めに戻すことで対応できるようになる」と、守備面に主な要素があると話した。

 2020年から4シーズン、浦和は4-4-2または4-2-3-1のダブルボランチでプレーしてきた。その意味で親和性が高いのも間違いなさそうだが、グスタフソンがそのシステムにどう組み込まれていくか、あるいはより高いレベルの4-3-3で解決できるようになるのか、どこに発展を見出すかが注目される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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