なぜ点が取れない? 札幌、「攻撃的チームを名乗るうえであってはならない」現状打破への一手

札幌の岡村大八【写真:徳原隆元】
札幌の岡村大八【写真:徳原隆元】

2試合連続で1失点も岡村大八は「内容が悪くなかったでは終わらせられない」と吐露

 北海道コンサドーレ札幌は、6月26日に味の素スタジアムで行われたJ1リーグ第20節FC東京戦に0-1で敗れ、今季ワーストの6連敗を喫した。2試合連続で最少失点だった一方、攻撃面は3試合ノーゴールと沈黙。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が志向するサッカーを体現できていないだけに、DF岡村大八は「攻撃的チームを名乗るうえであってはならない」と苦しい胸中を明かした。

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 今季2度目の5連敗、直近2試合はノーゴールという状況でFC東京戦に臨んだ札幌は前半27分、DF岡村大八のロングフィードをMF長谷川竜也が落としてMF菅大輝につなぎ、菅がペナルティーエリア内に持ち込んで強烈な左足シュートを放つも、相手GK野澤大志ブランドンの好セーブに阻まれてしまった。

 札幌は2トップの一角であるFW鈴木武蔵にボールが収まらずに0-0で前半を折り返した。後半31分には長谷川が敵陣ペナルティーアーク付近まで持ち込んでチャンスを迎えるも、切り返しの際にボールを奪われてゴールならず。後半33分には菅がペナルティーエリア内左45度からグラウンダーのシュートを放ったが、これも野澤にセーブされて得点できなかった。

 札幌は逆に後半39分、MF原川力が入れたクロスをFW安斎颯馬に合わせられてFC東京に決勝点を献上し、0-1で敗れた。リーグ戦6連敗はペトロヴィッチ監督体制では初、クラブとしても2017年J1第11~16節以来となった。

 3バックの中央でフル出場した岡村は、「失点するまでのゲーム内容は、最下位にいるものではなかったと思う」と一定の評価をしつつ、「(0-1で敗れた前節の横浜F・)マリノス戦は流れの中で失点はしていないので手応えは感じていますけど、今の状況で『内容が悪くなかった』では終わらせられない」と苦しい胸の内を明かした。

「相手に点を取らせなかったのは良かったけど、今の僕がするべきことはチームを勝利に導くこと。個人のタスクどうこうよりも、個人が悪くてもチームが勝てる状況を作らないといけない。この2試合、(最少失点の一方で)点も取れていないし、何かを変えないといけない」

鈴木武蔵らFW陣にいかにいい形でボールを持たせられるか

 岡村が課題に挙げたのは、3試合連続ノーゴール中の攻撃だ。札幌はボール支配率でリーグトップ5に入るが、1試合の平均シュート数はリーグ17位、20試合で総得点16はリーグ最少と本来得意なはずの攻撃で苦しんでいる。

 岡村は「あとは攻撃の部分で、無得点は攻撃的チームを名乗るうえであってはならないと思う。得点を何がなんでも取ってほしい。うしろの選手は前の選手に託すしかないので、できるだけチャンスを作ってあげないといけない。(鈴木)武蔵くんのギャップに入るところも1本上手く使えたし、ああいったシーンをもっと増やして、起点になっていきたい」と、攻撃陣のサポートを誓った。

 また、3バックの一角で2試合連続スタメン出場となったDF髙尾瑠も得点が取れない状況について、「うしろからのボールが上手くFW陣にいい形で行っていないという印象。最後のところのクロスの質、トラップがズレるとかそういうところだと思う」と言及。「クロスは僕も上げるので合わせられるようにちゃんと練習しないといけないし、上手くFWの選手が前を向けるようにボールをつけたい」と改善点を挙げた。

 岡村によれば、ペトロヴィッチ監督はFC東京に敗れた直後のロッカールームで、「次の試合は本当に大事だから」「(6月29日のJ1第21節アルビレックス)新潟戦に勝てれば、自分たちはまだ残留できると思う」と選手たちに言葉をかけたという。岡村も「僕たちは監督の言葉を信じるだけ」と前を向く。

「次で勝てれば流れができると思うし、新潟は相性的にも悪くない。つないでくるチームに対して自分たちがどれだけプレッシャーをかけられるか。次の新潟戦は本当に大事。何がなんでも勝ちに行きたい。まだあと18試合、諦めないでやり続けたい」

 すでに5月29日にペトロヴィッチ監督の今季終了までの続投を発表している札幌。指揮官の志向する攻撃的サッカーを取り戻し、J1残留に向けて巻き返せるだろうか。

(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)



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