モドリッチ「引退しないで」 対戦相手の伊記者が本人へ掛けた言葉…会見でのやり取りに海外注目
モドリッチも真剣に耳を傾けた
2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)で準優勝、そして2022年のカタールW杯で3位に入ったクロアチア代表は今夏の欧州選手権(EURO)では無念のグループリーグ敗退が決まった。これが代表で最後の大舞台となる可能性があるクロアチア代表キャプテンのMFルカ・モドリッチとイタリア人ジャーナリストとのやりとりが話題になった。
グループBのクロアチアは初戦でスペインに0-3と完敗。続くアルバニア戦は2-2の引き分けに終わった。決勝トーナメント進出のために勝利が欲しかったイタリア戦ではモドリッチのゴールで試合終盤までリードしていたものの、後半アディショナルタイム8分に同点ゴールを許し、2試合連続のドロー決着となった。
勝ち点2でグループ3位となったクロアチアには16強入りの可能性が残っていたものの、現地時間6月25日に行われた他グループの試合結果により、各グループ3位の成績上位4チームに入る可能性が消滅。ロシアW杯での準優勝以降、常に安定した結果を残してきた強豪国が無念のグループリーグ敗退となった。
38歳のモドリッチはイタリア戦でゴールを決めたが、その直前にはPK失敗もあった。試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出されたが、この時点で決勝トーナメント進出がかなり厳しい状況だっただけに心境は複雑なものだっただろう。
そうしたなか、英紙「ガーディアン」は試合後の記者会見の場でイタリア人ジャーナリストのフランシスコ・レピチェ氏とモドリッチとのやりとりを取り上げている。
レピチェ氏は対戦相手のクロアチアのキャプテンに向けて「今夜だけでなく、あなたがキャリアを通じて見せてくれたことすべてに感謝したい。PKを失敗したにかかわらず、ゴールを決めてトップクラスの選手であることをあらためて証明した。どうか引退しないでほしい。あなたは私にとって最も素晴らしい選手の一人なのだから」と言葉をかけた。多くのサッカーファンが抱いているであろう思いを代弁した。
この称賛のコメントに対し、モドリッチははじめ泣きそうな表情を見せながら、徐々に笑みを浮かべ「永遠にプレーを続けたいですが、私もブーツを脱ぐときがくるでしょう。まだプレーは続けますが、それがどれほどの長さになるのかは私にもわかりません」と答えていた。