イングランド監督、ファン過剰行動に苦言「グループにとって問題」 試合後にカップ投げつけ“被害”
首位通過もスロベニアと0-0
欧州選手権(EURO)は現地時間6月25日にグループリーグC組の最終戦が行われ、イングランドはスロベニアと0-0で引き分けた。これにより1勝2分の勝ち点5でC組の首位通過を決めたが、英公共放送「BBC」はガレス・サウスゲート監督による「ファンの反応が異常な環境を作り出している」というコメントを報じた。
すでに決勝トーナメント進出を決めた状態で試合に入ったイングランドは、引き分け以上の結果が必要な、逆に言えば引き分けで終わればトーナメント進出ができるスロベニアとの対戦になった。そのゲームはイングランドがボールを持つ時間が長くなったものの、シュート数12本に対して決定機と呼べるほどの場面はそれほどなく、スコアレスドローで終えた。スロベニアの選手たちは、試合終了のホイッスルと同時にガッツポーズでピッチ上を駆け回った。
同局によると、試合後にサポーターのところへ挨拶に行ったチームにはブーイングが浴びせられ、サウスゲート監督に向かっては空になったカップが飛んできたという。イングランドは別会場でデンマークとセルビアが引き分けたために逆転されず首位通過を果たしたが、もし2位通過だったら決勝トーナメントの初戦はドイツとの対戦になっていた。
グループリーグを通じて試合内容への批判が大きいイングランドだが、サウスゲート監督はカップを投げつけられた件について「ここから引き下がるつもりはない。最も重要なのは、サポーターがチームとともにいてくれることだ」と話し、今後もやめる気はないと話す。
一方で決勝トーナメント進出を果たしていることと合わせて「私に対する批判は理解できるし、その方がチームにとってはいいことだ。でも、このような環境は普通ではない。ほかのチームが予選を通過し、同じようなことを受けたのを見たことがない。私はそれを理解しているし、そこから引き下がるつもりもないが、その中で選手たちがどのように活動しているかをとても誇りに思っている」と話している。サウスゲート監督は、一部のサポーターの反応が「グループにとって問題になっている」と明かし、選手たちをバックアップするよう促した。
サウスゲート監督は試合内容について「まとまり始めている」として「私たちは何度か良いチャンスを作ったが、まだまだ厳しい時間だ。ゴール前での崩しがまだできていない。出場した選手たちはよくやったと思う。(サポーターの)反応は分かるが、厳しい環境だ」と話したという。
決勝トーナメントでは1回戦で強豪オランダと対戦する可能性もあるイングランドだが、批判の声を封じるほどのハイパフォーマンスを取り戻すことはできるだろうか。