首位ターンの町田、SNS意見の反応にクラブFD&監督言及「やっぱり家族がいるからね」

町田の原靖フットボールダイレクター【写真:森雅史】
町田の原靖フットボールダイレクター【写真:森雅史】

今季初参戦のJ1リーグを首位で折り返し、原靖FDが総括

 6月24日、FC町田ゼルビアの原靖フットボールダイレクター(FD)はJ1リーグ前半戦を振り返るとともにSNSでの批判にどう対応しているかを明らかにした。

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 J1リーグは第19節でシーズンの半分を終了した。現在の首位は町田で勝点39、2位は鹿島アントラーズで勝点37、3位は勝点37ながら得失点差で鹿島に4点の差があるG大阪、そして4位は昨年のチャンピオン、ヴィッセル神戸が勝点33で続いている。

 町田がJ2からの初昇格チームとしては初めて前半戦を首位で折り返した。原FDはこの成績について「本当に予想以上の成績」であり、シーズン前の目標設定は「5位を目指しながらも、ACL優勝は常に頭の片隅置いておこう」としていたのだという。

 新興チームがここまで躍進しているのは何故か。原FDはまず株式会社サイバーエージェント代表取締役社長でもある藤田晋代表取締役社長兼CEOの「物心両面のサポート」があったとしたうえで、クラブの各部門の協力、そして黒田剛監督のリーダーシップが現在の結果を生んでいるとした。

 クラブ内部に関しては「事業サイド、営業サイド、広報サイドが1つになった、ベクトルを合わせた。それも含めて快挙だと思います。すごいまとまりがあった」と明かす。

「広報部、営業部、地域貢献部などにはひとかどの人がいて、自己実現するためにサッカーの現場で働いている。どういう政策をやりたい、地域貢献にもっと選手を出したい、次のスポンサーをとるためにこの選手使っていきたいと、それぞれ施策があります。そのなかでクラブはピッチで成績を出すために、選手の体調管理だとか監督とも勝つために一体感を持って戦えた」

 また、黒田監督には「スカッドとスタッフとをまとめていく強烈なリーダーシップ」を感じており、「日頃の練習だとかミーティングだとか、そういうとこに随分隠し味がある」のだと語った。

 さらに、J1リーグを戦う上でスタッフの充実も図っていた。チームとスタッフを合せて最大75人が関わっており、キャンプのときはドクターが4人から5人帯同して選手の体調を管理するとともに、分析担当のテクニカルスタッフも増員しているという。

 一方で、SNSなどで町田が批判されていたことについては、「黒田監督自身も辛い思いをしていたし、自分も(そういうことが)ありました」と振り返った。

 原FDは黒田監督と「言葉の選択だとか、状況の選択だとか、そういうことは2人で話しました。こういうことが起こった例だとか、ああ喋ると、こう出てくる、こう喋ったらこう出てきた」と「情報交換」しているそうだ。

 また、クラブの中も影響を受けていたという。

「影響は当然事業も受けますし、選手も受けます。事業の方や選手たちに対しても黒田監督が話をしたり、私から事業の方にも、『こういう話をしたところ、こういうふうに出てしまった』と説明をして、あのシーンはこうだったんだと言うようにしています。なるべく(みんなが)動揺しないように努力しています」

 この会見の後、黒田剛監督も次節の神戸戦に向けた取材に応じた。そのなかで当初の5位の目標を変えるつもりはないのかと聞かれ、「ラスト5試合で狙えるなら(優勝を)狙いたい」と野心を見せつつも、今週の神戸、G大阪の連戦が「連敗すれば、多分、首位にもう到達することは難しくなる。どんどん引き離される」というシーズンの山場だと強調した。

 そしてSNSでの批判については「やっぱり家族がいるからね。子供たちだっていい気持ちがしないし、娘も全部拾ってくる。『こんなこと書かれている』とか、全部家族LINEに入ってくる」と、家族が心を痛めていることを心配していた。

(森雅史 / Masafumi Mori)



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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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