浦和の成績「伸び悩む」大きな要因は?…今季前半戦で13失点、看過できない“魔の時間帯”
昨季はJ1最少失点も…ヘグモ体制で臨む今季は不安定な戦いぶり露呈
浦和レッズは6月22日のJ1リーグ第19節、鹿島アントラーズ戦を2-2で引き分けた。ペア・マティアス・ヘグモ監督は「ヴィッセル神戸戦と同じように本日の後半も支配していたと思う」と話したが、先に失点して追いかける試合展開の多さと、失点する時間帯の悪さは成績が伸び悩む大きな要因になっている。
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浦和は前半3分に失点すると、ハーフタイム直前にも追加点を奪われた。しかし後半はシステム変更も功を奏し、途中出場のMF武田英寿がアディショナルタイムに決めた意表を突いた直接フリーキック弾を含む2ゴールで追いつき、引き分けに持ち込んだ。
上位との対決になったが、ヘグモ監督は「前半は良くなかった。早い時間帯で失点もしてしまった。徐々に我々のプレーを出せるようになったと思うが、プレス、ビルドアップでの中盤もうまくいかなかった」とした一方で、6月1日の神戸戦でも同様に壊滅的な前半から立て直して後半に追いつき引き分けたことを念頭に置くような「神戸戦と同じように本日の後半も支配していたと思う」という言葉も残した。
今季ヘグモ監督が就任した浦和は4-3-3システムの導入に加え、ハイプレスを含め全体にプレーエリアを前にするモデルチェンジに取り組んでいる。その裏返しで昨季にJ1最少失点だったチームは折り返し地点の19試合を終えて27失点。30得点は昨季の得点力不足を鑑みれば進歩しているものの、不安定な戦いぶりは否めない。
その要因の1つが先制される試合の多さだろう。スコアレスドローのない浦和は19試合のうち過半数となる11試合で先制を許している。その成績は1勝4分6敗で、神戸戦やこの鹿島戦のようにビハインドから持ち直したものの、引き分けにとどまる場合が少なからず発生している。先制した8試合が6勝1分1敗なのとは明らかに対照的な成績が残る。
また、この鹿島戦がそうだったように前後半のラスト5分にも大きな課題がある。この試合も含め、アディショナルタイムを含む4つの時間帯で7得点しているが、それ以上の13失点を喫している。前後半それぞれの立ち上がりで失点することは、試合前やハーフタイムに確認したゲームプランを狂わせることにつながる。試合終了間際の失点は、勝ち点の瀬戸際に関わるもの。失点全体の約半数をこの時間帯に喫していることは、いかにも勝ち切れない、試合を俯瞰した時に与える印象に対して結果がついてこないチームの典型的なスタッツだと言えるだろう。
前節のセレッソ大阪戦も前半終了間際と後半開始直後の失点だった。ヘグモ監督は「失点は減らさないといけない。追いかける展開が少し多いと思う。(前半3分の失点は)西川周作が触ったボールのリバウンドなので、あの時間帯だったのは偶然のところもあると思う。そのような失点を減らすためにも例えば中盤のバランスを整えたほうが良いかもしれないと思うが、要因は複合的なものだろう」と話した。
重複はあるが相手の先制点になった11失点とカギになる時間帯の13失点を見れば、その原因はそれぞれだろう。しかしながら、その時間帯に丁寧さやシビアさを欠いたままでは、どれだけチームの成長を感じさせるプレー内容が試合の中にあっても成績は伸び悩んでしまう。今季、残りはリーグ戦の19試合だけというシーズンになっている浦和だが、これらの要素が改善されかどうかは後半戦の浮上に向け大きな要素になるのではないだろうか。