E組は全4チームが同勝ち点の大混戦 EURO、各グループの決勝トーナメント進出条件は?

EUROは全チーム2戦終了【写真:ロイター】
EUROは全チーム2戦終了【写真:ロイター】

勝ち点が並んだ場合は直接対決の成績→得失点差→総得点

 欧州選手権(EURO)は、現地時間6月22日にグループリーグの第2試合までがすべて終わった。23日からは各組の最終戦が行われて決勝トーナメント進出チームが決まる。

 EUROは2016年から24チームに拡大され、グループリーグは各組の2位以内と3位のうち上位4チームが決勝トーナメント進出する形式になっている。そして、勝ち点が並んだ場合の順位決定は直接対決の成績が先に見られ、次に得失点差や総得点の比較に続く。2位以内を確保するのはもちろん、過去2大会で勝ち点4の3位となって6分の4に入れず敗退となったチームがいないことから、順位と同時に勝ち点4を確保できるのかどうかも1つのポイントになってきそうだ。

 A組は開催国ドイツが勝ち点6で突破を決め、スイスが勝ち点4で続く。最終戦はドイツとスイスが直接対決するが、スイスは引き分け以上で2位以内が決まる。3位のスコットランドは勝ち点1だが、最終戦で2連敗のハンガリーと対戦する。ここでスコットランドが勝利すれば、スイスが敗れた時に勝ち点4で並び2位の可能性がある。スコットランドは引き分けでも3位になり可能性を残すが、勝ち点2での通過は例がない。勝ち点4のラインに乗せる意味でも勝利が必須になる。ハンガリーは勝利して3位を確保し、他グループの結果を待つのみだ。

 B組はスペインが2連勝で首位通過を決め、勝ち点3のイタリアを勝ち点1ずつのアルバニアとクロアチアが追う。最終戦はスペインとアルバニア、イタリアとクロアチアの対戦になる。アルバニアとクロアチアは引き分けでも3位の可能性が残るが、勝ち点2での突破は厳しく勝利が必須だろう。前回王者イタリアは引き分け以上で突破が決まるが、敗れると3位以下が確実に。仮にアルバニアが勝利を逃して3位を確保しても、勝ち点3で得失点差がマイナスになることを考慮すると突破はかなり微妙なものになる。

 C組はイングランド勝ち点4で首位、デンマークとスロベニアが勝ち点2で並び、セルビアが勝ち点1で追う。全チームが突破と敗退の可能性を残すが、最終戦はイングランドとスロベニア、デンマークとセルビアが対戦する。イングランドは引き分け以上、スロベニアとデンマークは勝利で2位以内が確実になり、引き分けると他会場次第になる。セルビアは勝利しても勝ち点4の3位になるパターンがあるが、それでも突破が有力になり得る。イングランドは敗戦したうえでデンマークが勝利すると、勝ち点4の3位になる可能性がある。

3位での突破ができるかも焦点

 D組はフランスとオランダが勝ち点4で並び、オーストリアが勝ち点3で続く。2連敗のポーランドはすでに4位が確定した。最終戦はフランスとポーランド、オランダとオーストリアの組み合わせになる。上位2チームは引き分け以上で2位以内が決まり、オーストリアは勝利すれば2位以内が決まる。また、勝ち点4を基準にすればオーストリアはオランダと引き分けても突破に希望を持つことができるだろう。

 E組はルーマニア、ベルギー、スロバキア、ウクライナの全チームが1勝1敗の勝ち点3で並ぶ大混戦。最終戦はルーマニアとスロバキア、ベルギーとウクライナの対戦になる。どのチームも勝てば決勝トーナメント進出になる。2試合とも引き分けると勝ち点4で完全に並ぶため、得失点差と総得点の勝負になる。その場合、現時点で得失点差により4位のウクライナが敗退する。2試合とも決着がつけば、敗れた2チームのうち直接対決の成績か得失点差で上回り3位になったチームが勝ち点3で突破の可能性を残す。極めて複雑なグループ最終戦になった。

 F組は勝ち点6のポルトガルが首位通過を決め、勝ち点3のトルコを勝ち点1ずつのチェコとジョージアを追う。最終戦はポルトガルとジョージア、トルコとチェコの対戦になる。状況はB組と全く同じで、ジョージアとチェコは勝利が求められ、トルコは引き分け以上で突破だが敗れた時には微妙な状況に追い込まれる。

 各チームとも2位以内に入る条件は整理されているが、3位での突破ができるかどうかは後半に開催されるグループほど試合前に条件がハッキリする。その意味ではE組とF組がやや有利になる可能性もあるが、決勝トーナメント進出を決め選手を温存したいチームや突破条件が複雑なチームなど、さまざまな思惑が絡み合うことになりそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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