「理解できない」…EUROオランダ“幻ゴール判定”物議、GK妨害巡り賛否「認められるべき得点」

オランダが挙げた幻のゴールを巡り判定に賛否【写真:ロイター】
オランダが挙げた幻のゴールを巡り判定に賛否【写真:ロイター】

オランダのフランス戦ゴールがオフサイドで取り消しに

 欧州選手権(EURO)グループD第2節のオランダ対フランスの大一番は0-0のスコアレスドローに終わった。後半にオランダ代表FWシャビ・シモンズのゴールがオフサイドで取り消しとなる場面があり、ゴールは認められるべきだったのではと議論を呼んでいる。

 0-0で迎えた後半24分、FWメンフィス・デパイのシュートのこぼれ球に反応したシモンズが右足のダイレクトシュートでゴールネットを揺らした。鼻骨骨折のFWキリアン・ムバッペを欠くフランス相手に貴重な先制ゴールを奪ったかに思われたが、主審は副審に確認を取ったあとでホイッスルを吹き、オフサイドと判定した。シモンズがシュートを放った際、オフサイドポジションにいたDFデンゼル・ダンフリースがGKマイク・メニャンのプレーを妨害したとみなされたようだ。

 ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックには時間がかかり、得点を期待するスタンドのオランダサポーターはどよめいたが、最終的にはノーゴール判定が支持された。

 英公共放送「BBC」によれば、オランダ代表を率いるロナルド・クーマン監督は試合後に「ダンフリースは確かにオフサイドポジションにいたが、彼はGKの邪魔をしていない。私の考えでは認められるべきゴールだ。チェックに5分も掛かるほど難しいものだったのか?私には理解できない」と判定への不満を漏らした。

 一方、フランス代表のディディエ・デシャン監督は「(チェックに)時間が掛かったことに少し驚いた。なぜなら、私はスクリーンに映った映像を見た時に考えるまでもなかったからだ」とオフサイド判定は妥当だと語っていた。

 中立の立場であるBBCで解説を務めていた元イングランド代表FWアラン・シアラー氏は「フランスは幸運だった」とオフサイド判定に疑問符をつけた。「ゴール裏からの映像を見ると、GK(メニャン)はあの体勢では飛び込むことはできなかった。ダンフリースは彼に影響を全く与えていない」とその理由を語っている。

 ギャリー・リネカー氏も「GKが妨害されたかどうかを判断する必要があるが、彼はダンフリースからかなり離れた場所にいた」とシアラー氏に同調。ウェイン・ルーニー氏も「無効になるべきではなかった。私はゴールだと思うし、時間がかかったのはもどかしい。(オンフィールドレビューを行って)モニターを見れば主審は判断できたはずだ」と話し、やはり得点は認められるべきだったと主張していた。

 グループリーグ屈指の好カードとなったオランダとフランスの一戦だが、シモンズのファインゴールが幻となり、試合はスコアレスドローで決着。VARが絡むその判定に対しては様々な議論がかわされていた。

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