モドリッチら主力が高齢化 クロアチアのEURO敗退危機に英言及「黄金世代は崖っぷちに」
クロアチアはEURO第2戦でアルバニア相手に2-2ドロー
欧州選手権(EURO)は現地時間6月19日にグループリーグB組の第2戦、クロアチアとアルバニアの試合が行われ、2-2で引き分けた。英公共放送「BBC」はクロアチアについて、「黄金世代は崖っぷちに立たされた」と報じた。
クロアチアはEURO初戦で強豪スペインに敗れたため、早くもあとがない戦いになった。しかし前半11分、アルバニアは右サイドからゴール前へ入ったクロスをMFカジム・ラチがヘディングで叩いてゴール。クロアチアは追いかける展開になった。
それでもクロアチアは後半29分にゴール前のパスワークからFWアンドレイ・クラマリッチが同点ゴールを奪い、2分後には左サイドを切り崩すと中央へのラストパスをMFルカ・スチッチがシュート。このボールがアルバニアの選手にピンボールのように跳ね返り最終的にはゴールの中へ。クロアチアが電光石火の逆転劇を見せた。しかし、後半アディショナルタイム、ゴール前のこぼれ球をMFクラウス・ギャスラに押し込まれ痛恨の失点。2-2で引き分け、勝ち点1にとどまった。
英公共放送「BBC」のレポートでは、「アルバニアの気迫と気迫に満ちたプレーはこの結果に値するものだったが、同時にこのクロアチアに対する疑問も投げかけられた」と言及。そして、「彼らは、主要国際大会で上位進出するのに役立つビッグネームを何人か擁していたが、伝統国にショックを与えるアンダードッグだった」と、2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)でアルゼンチンやイングランドを破り準優勝、22年カタールW杯ではブラジルを破り4強入りした彼らを表現した。
しかし、「機知に富んだレアル・マドリードのMFルカ・モドリッチは、その両方のW杯でプレーし、ここドイツでのEUROでもまた彼らのタリスマン(お守り)となっている。しかし、彼は現在38歳で、アンドレイ・クラマリッチやイバン・ペリシッチといった過去の大会で活躍したほかの主力選手も30代だ。クロアチアがアルバニアのテンポについていけないのは、黄金世代と言われるクロアチアの主力選手たちが、そろそろ退場していく可能性があることを示唆している」と指摘されている。
クロアチアのズラトコ・ダリッチ監督は「W杯は2年前のことで、選手たちは年齢を重ねている。しかし、今大会を見る限りはどのチームも苦しんでいる。ポルトガルがチェコに勝つのは難しかったし、同じことはセルビアに勝ったイングランドにも言える」と、全体のレベルが均衡していることを強調したという。
今大会は4チームずつ6グループに分かれてのグループリーグで、勝ち点が並んだ場合は直接対決の成績で順位が決まる。各組の2位以内と3位のうち成績上位の4チームが決勝トーナメントへ進む。クロアチアはイタリアと最終戦で戦う。スペインとアルバニアの試合結果次第では引き分けでも突破の可能性は残るものの、勝ち点2では3位になっても他グループとの比較でかなり不利になるため、最終戦は勝利が絶対条件になりそうだ。
モドリッチをはじめとするクロアチア黄金世代は、その輝きを見せ続けることができるのか。それとも、その終焉を象徴するように大会から去っていくことになるのだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)