広島怒りの退場劇…横浜FMキューウェル監督の反応は? 苦笑い浮かべ「彼に任せようと思う」
横浜FMは広島に3-2で逆転勝利
横浜F・マリノスは6月19日、J1リーグ第13節延期分でサンフレッチェ広島と対戦し、3-2と逆転勝利を収めた。後半開始早々に広島に退場者が出たこともあり、数的有利な状況を勝利に結びつけることができたが、広島の退場劇を含めたレフェリングの印象について、ハリー・キューウェル監督は「試合中に言いたいことも、もちろんある」と口にしたうえで、この日の意見は「彼に任せようと思う」と、ミヒャエル・スキッベ監督に委ねている。
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消化試合の少ない横浜FMだが、第17節の鹿島アントラーズ戦(2-3)、第18節のFC町田ゼルビア戦(1-3)と、直近のリーグ戦で連敗を喫している。上位争いに留まるうえで、これ以上の足踏みは許されない状況にあるが、試合開始2分、広島の縦に速い攻撃で裏を取られ、先制点を献上。それでも前半27分にFWヤン・マテウスが左足の鋭いコントロールショットをゴール左隅に流し込み、同点弾を奪う。
そして、1-1で迎えた後半7分、試合の行方を左右するシーンが起こる。カウンターの場面MF天野純がドリブル突破で敵陣を駆け上がり、ペナルティーエリア手前で対峙していた相手MF満田誠を鋭い切り返しで振り切った。その際、満田が伸ばした足が天野に接触し、転倒。満田は前半ですでにイエローカードを受けていたが、主審は迷わず2枚目を提示し、退場処分を下した。
数的有利となった横浜FMは、後半32分に2失点目を喫したものの、後半42分、MF宮市亮のクロスに合わせたFWアンデルソン・ロペスがゴールネットを揺らすとすると、同45分にロペスの落としからマテウスが鮮烈なミドルシュートをゴール左上に叩き込み、逆転ゴールを奪った。試合はそのまま3-2で終了し、3試合ぶりの勝利を掴み取った。
「日本のリーグは、本当にタフ」Jリーグの熾烈な戦いを強調
終了間際の3分間で2得点を記録する劇的な逆転劇となったなか、キューウェル監督は試合後の記者会見で「日本のリーグは、本当にタフ。勝ち点3を手にすることが、どれだけ大変なことか。毎試合、簡単ではない」と、Jリーグの熾烈な戦いを強調した。そんななか、広島のスキッベ監督が不満を呈した満田退場の場面を含め、この試合のジャッジの印象について尋ねると、キューウェル監督はうっすらと苦笑いを浮かべる反応を見せた。
「試合中に言いたいことも、もちろんある。自分も監督なので、あれはどうなのか、と思うこともある中で、致し方ないこともあるかもしれない。例えば相手を掴んだり、ホールディングしたり、そういったプレーはルール上、やってはいけないことで、目に見える部分である中で、感情のコントロールは大事にしなければと思っている。相手の監督がどのような発言をされたのかは分からないが、(今日のジャッジに対する意見は)彼に任せようと思う」
キューウェル監督の前に記者会見に臨んだスキッベ監督は「池内さん、イエローカード、さらに、レッドカード、おめでとうございます」「満田を代えるのではなく、主審を代えたかった」と、皮肉交じりに怒りを露わにしていた。キューウェル監督も、Jリーグのジャッジに物申すことも少なくないが、この日はレフェリングに対する意見を控えていた。
(城福達也 / Tatsuya Jofuku)