「レッドカード、おめでとうございます」 広島監督が示した“怒りの皮肉”「主審代えたかった」

ミヒャエル・スキッベ監督【写真:徳原隆元】
ミヒャエル・スキッベ監督【写真:徳原隆元】

広島は横浜FMに2-3で逆転負け

 サンフレッチェ広島は6月19日、J1リーグ第13節延期分で横浜F・マリノスと対戦。1-1で迎えた後半7分、MF満田誠がペナルティーエリア手前で相手MF天野純を転倒させ、2枚目のイエローカードで主審から退場処分を命じられた。選手たちは数分間にわたって主審に猛抗議を見せたなか、ミヒャエル・スキッベ監督は試合後の記者会見で「レッドカード、おめでとうございます」と池内明彦主審に対して“怒りの皮肉”を口にし、「主審を代えたかった」と苦言を呈している。

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 公式戦5連勝中と波の乗る広島は開始早々の前半2分、裏に抜け出したFW加藤陸次樹がゴール右隅に流し込み、先制に成功する。しかし同27分に同点弾を許し、1-1で迎えた後半7分、横浜FMのカウンターの場面で、相手MF天野純がドリブル突破で広島陣地に侵入したなか、対峙していた満田は天野が切り返した際に足を引っ掛けてしまい、ファウルの対象に。すでにイエローカードを受けていた満田に対し、主審は2枚目を提示し、退場処分を命じた。

 この判定に広島の選手たちは主審に詰め寄り猛抗議。約3分間もの間、主審が選手たちに説明することになったが、イエローカードの対象となったファウルにはVARは介入しない規定となっていることもあり、判定は覆ることなかった。試合は後半32分にFW大橋祐紀に追加点を奪ったものの、数的不利な立場が響き始め、同42分、同45分と立て続けに失点を喫し、終了間際の3分間の逆転劇で力尽きた。

 試合後、スキッベ監督は「横浜FMさん、おめでとうございます。そして、池内さん、イエローカード、さらに、レッドカード、おめでとうございます。あれがゲームを決めたと思っている」と、皮肉のコメントを残し、ジャッジに対して静かに怒りを滲ませていた。

 記者から「前半でイエローカードを受けていた満田選手を後半頭に下げる選択肢もあったと思うが、そのまま交代させなかった理由は何か?」と質問を受けた際は、「満田を代えるのではなく、主審を代えたかった」と一言。そのなかでも「自分たちも、相手チームも素晴らしい戦いをした。凌いでいたが、最後は耐え切れなかった。守備陣が少ない中で、これが限界だった」と、相手チームへの称賛と自チームへの労いを忘れなかった。

(城福達也 / Tatsuya Jofuku)



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