浦和の怪我人続出は未来への布石? 新加入DFが“高強度順応”を指摘「監督は先を見据えている」

浦和の石原広教【写真:徳原隆元】
浦和の石原広教【写真:徳原隆元】

浦和はC大阪戦で1-2の敗戦を喫した

 浦和レッズは6月15日のJ1リーグ第18節セレッソ大阪戦に1-2で敗れた。今季を通して負傷者続出のチームは、台所事情が苦しくなり自らの首を絞めている感があるものの、ペア・マティアス・ヘグモ監督についてDF石原広教は「本当に先を見据えてやっている感じがすごくする」と話した。

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 浦和は今季の開幕に向けてアタッカー陣にノルウェー代表FWオラ・ソルバッケン、FW前田直輝、FWチアゴ・サンタナの獲得、FW松尾佑介の期限付き移籍からの復帰と補強が続き、昨季からの主力もギニア代表FWホセ・カンテの現役引退以外は基本的に残留した。左サイドバックを務めてきたDF明本考浩とDF荻原拓也が同時に海外移籍したのは痛手になったものの、オフシーズンの動きとして陣容を整える部分には期待が持たれた。

 しかし、キャンプ中から浦和は負傷者が続出した。昨季に公式戦60試合を戦ったチームは、それを乗り越えてきた主力に疲労が溜まっているのは理解されるところだったが、ソルバッケンや松尾といった新加入選手もキャンプ中ないし開幕直後に負傷離脱。ほかにもMF関根貴大、FWブライアン・リンセン、MF岩尾憲、DF酒井宏樹、MF小泉佳穂、DFアレクサンダー・ショルツ、MF大久保智明、FW安部裕葵と、1か月程度かそれを超えるような負傷離脱があった選手の名前を挙げるとこのような長いネームリストになる。

 そして、4月後半から左ウイングに入ってチームの攻撃をけん引してきたFW中島翔哉も1日のヴィッセル神戸戦でギリギリの調整から45分間プレーした後に離脱。このC大阪戦までに復帰できなかった。試合中の接触プレーによるものや、スウェーデン代表での活動中に負傷してC大阪戦を欠場したMFサミュエル・グスタフソンのように必ずしもコントロールできないものもあるとはいえ、交代選手の選択も含め選択肢が少なくなりすぎている。

 このC大阪戦でショルツが累積警告により出場停止だったのは違う要素だが、攻撃陣は敵陣の最終局面でパワーを発揮しきれない面が目立ち、後半の途中にはMF伊藤敦樹も左ハムストリング付近を気にしてプレー続行不可能となり交代を余儀なくされた。

 ヘグモ監督はこのような状況について、試合後に「次の試合までに4人か5人の負傷者が戻ってくる可能性はある。もちろんケガ人のことは待つが、本日ピッチに立った選手のことは称えたい」と話した。また、定例で行っているオンライン会見では、トレーニングで組み立てていく1週間のサイクルへ選手が順応する部分にたびたび言及し、「浦和のようなクラブでプレーする選手は週に2試合できるようにならなければいけない」とタフさを求めている節もある。

 浦和の公開練習はオフ明けが多く、試合に向けての準備はかなりの部分が非公開で行われている。酒井の離脱から右サイドバックのレギュラーをつかんでいるDF石原広教は今季、湘南ベルマーレから移籍加入した。ハードな練習を行うと評判の湘南から加入してきた石原は、ヘグモ監督のトレーニング強度について「結構やっている方だと思う。ケガ人が多いところもあるけど、かなり強度を高くやるし、2日前や3日前はゲーム形式でもかなりバチバチやっている」と話す。

 そのうえで石原は「去年までがどうだったのか分からないけど、みんながそこの強度に順応していけばケガも減ると思うし、かなりやっていると思う。監督は本当に先を見据えてやっている感じがすごくする。今すぐの結果より長い目で見ている感じもすごくするので、今こうやっているのは先に向けてなのかなと受け取っている」と話した。

 少なくとも現時点でずらりと並ぶ負傷者リストは短期的に大きなマイナスになっているが、我慢して順応させていくプロセスを踏んでいる以上は、それを上回るプラスを生み出していくことが求められる。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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