FC町田ゼルビアが「あんな批判され複雑」 物議醸す天皇杯後の3日間…選手の心情「勝つしかない」

バスケス・バイロンと藤尾翔太のホットラインから逆転ゴール【写真:Getty Images】
バスケス・バイロンと藤尾翔太のホットラインから逆転ゴール【写真:Getty Images】

バスケス・バイロンは2点目をアシスト

 J1首位のFC町田ゼルビアは、6月15日に日産スタジアムで行われた第18節・横浜F・マリノス戦を3-1で逆転勝利を収めた。12日の天皇杯・筑波大(茨城県代表)戦では大学生相手にまさかのPK戦負け。黒田剛監督が発した筑波大側への苦言コメントがSNSを中心に物議に発展する事態に見舞われたなか、その直後のリーグ戦ではきっちり勝ち切った。選手は試合後「批判に対して何ができるかって言ったら、本当に結果出して勝つしかない」と語気を強めた。

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 町田は筑波大との一戦で1-1のまま迎えた延長PK戦を2-4で落とし、まさかの敗退を喫した。大金星を献上したこの試合では、町田側に負傷者が続出。試合後、4選手(チャン・ミンギュ、安井拓也、ナ・サンホ、ミッチェル・デューク)の診断結果が発表され、チャン・ミンギュ、安井拓也が骨折を余儀なくされる異例の事態になった。

 試合後の会見で、黒田監督は自チームの選手を守る名目で負傷者が続出した事実に言及。筑波大側のプレーマナーに苦言を呈し、試合中の態度についても「言葉1つ1つがタメ口であったり、乱暴な言葉であったり、大人に向かってもやはり配慮が欠けるような言葉もあった」と指摘した発言が物議を醸し、SNS上では町田側に対するネガティブな意見も続出した。

 こうした状況下に置かれた選手たちは複雑な思いで横浜FM戦までの3日間を過ごしていた。筑波大との天皇杯で後半からピッチに立ち、横浜FM戦では1アシストをマークしたMFバスケス・バイロンは「SNS見ても全部町田が出てくるんで、僕たちもそういうのはちょっと見苦しいんですけど、僕たちだけじゃなくて、やっぱ1番はサポーターがね……自分の応援してるチームがあんなに批判されてたら多分辛い思いするだろうしなと思いながら、ちょっと複雑だった」と振り返る。

 ここまで反響が広がれば、心配されるのが選手個々のメンタル面だ。ハイプレスを信条とするチームスタイルが時に、選手を脅かすファウルを招くことから“危険プレー”と批判する声もあるなか、そうした厳しい目を選手たちはいかに掻い潜ったのか。バスケス・バイロンは横浜FM戦前に、改めてチームで意思統一を図ったことを明かした。

「試合前に(昌子)源くんが話してくれましたけど、世間に騒がれてここで行かなくなったら俺たちじゃないし、そんなプレーじゃ勝てないぞって、皆に鼓舞してくれて。もちろん、僕たちもファウルするためにプレーしているわけじゃなくて、ボールを奪うために厳しく行くっていう思考なんですが、そこも含めてみんなでしっかりできたのかなと思いますね」

 12日の天皇杯から3日後のリーグ戦で、町田は先制されながらも3-1と逆転勝ち。「批判に対して僕たちに何ができるかって言ったら結果出して勝つしかないんですよね。もうそれしかないんで」(バスケス・バイロン)。試合後、凱歌があがった日産スタジアムのアウェースタンドは、会心の勝利に沸いた。

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