清家貴子が初の五輪出場へ「点を取れば勝たせる確率が上がる」 日の丸に刻んだ「金メダル」の文字
昨年の女子W杯で主要国際大会を初経験
三菱重工浦和レッズレディースのMF清家貴子は、6月14日に発表されたなでしこジャパン(日本女子代表)のパリ五輪メンバー入りを受けて記者会見を実施。本大会への意気込みに加え、浦和の先輩選手への感謝を語った。
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清家は今季、浦和でWEリーグ22試合に出場して10試合連続ゴールを含む20得点でチームの優勝に大きく貢献。MVPとベストイレブンも受賞し、個人賞を総なめにする充実したシーズンを送った。その意味では順当な選出となったが、メンバー入りの瞬間については移動中の電車内で「パートナー企業への表敬訪問の予定があり、その道中でYouTubeの配信を見ていた。嬉しかったけど、1人でグッと押し殺した。到着したら浦和の関係者もいておめでとうと言ってもらえ、実感が沸いた」と笑った。
大きな転機になったのは昨年の女子ワールドカップ(W杯)で、主要国際大会に初選出されて臨んだ。それによって「五輪という大会は外から見ていたことしかないし、テレビの中の大会というイメージがあった。去年W杯に出てから世界大会の面白さや大きさを身にしみて感じた。テレビの中の舞台から目指すべき場所に変わった」のだと話す。
充実したシーズンを送っての今がある清家だが、ちょうど1年前には海外移籍を模索していたという。しかし、そこで浦和のチームメイトであり海外でのプレーに加え五輪や女子W杯への出場経験を持つFW安藤梢やMF猶本光と話した際に、「浦和でまだ学べる、成長できることがあるんじゃないかと言われた。WEリーグで得点王、MVPになれば代表にも入れるんじゃないのと。海外で戦って成長したいという思いもあったけど、そういう考えもあるんだと思って残ることを決めた」のだと話す。
そうした檄を受けた清家は「その時は無理でしょと思ったけど、終わってみればそのとおりになった」と笑顔。そして「2人には18歳くらいの時からお世話になって、いろいろなアドバイスももらって成長できたと思うので感謝している」と改めて感謝の言葉を話した。
池田太監督のチームでの五輪に向け、清家は「前線のポジション、今までなら4-3-3や3-4-3でやってきたが、前線なら1トップもサイドもできる。ウイングバックも左右ができると思うので、どこで出てもいいパフォーマンスができる準備をしていきたい」と話す。そして「自分が点を取ればチームを勝たせる確率が上がると思うので、出場した試合では得点を目指したい。それを達成できれば得点王も見えてくると思うけど、意識はしたくない。チームのためにどんなプレーができるかにフォーカスしたい。でも、達成できたら嬉しい」と、本大会でのプレーも見据えた。
会見後に清家は、浦和が用意した日の丸に「金メダル」という言葉と自身のサインを入れた。WEリーグで「赤い稲妻」と呼ばれた清家が、なでしこの「青い稲妻」としてパリの舞台で躍動することが期待される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)