空きはわずか2枠? 22歳MFに「伸びしろ」…森保ジャパンはW杯最終予選をこの23人で戦え【前園真聖コラム】
遠藤航ら常連組を含めて「ほぼ当確」メンバーだけで21人
6月11日にエディオンピースウイング広島で行われたシリア戦(5-0)で、2026年の北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選が終わった。あとは9月から来年6月までのアジア3次予選(最終予選)でしっかりと勝ち点を積み上げ、本大会出場を目指すのみ。その最終予選のメンバー23人を元日本代表MF前園真聖氏はこう予想した。(取材・構成=森雅史)
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森保ジャパンはW杯アジア2次予選を3月の時点で突破しました。そのため、6月のアウェー・ミャンマー戦、ホーム・シリア戦では今後使いたいシステムや新しい選手などいろいろなテストを行うことができました。その結果、最終予選の23人がほぼ見えたのではないかと思います。
まずGK。大迫敬介(サンフレッチェ広島)は決まりでしょう。そして、カタールで開催されたアジアカップで使い続けて経験を積ませた鈴木彩艶(シント=トロイデン/ベルギー)もメンバーに入ってくるのではないでしょうか。
続いてDF。外せない選手ばかりです。筆頭は冨安健洋(アーセナル/イングランド)と板倉滉(ボルシアMG/ドイツ)。さらに町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ/ベルギー)と谷口彰悟(アル・ラヤン/カタール)、伊藤洋輝(シュツットガルト/ドイツ)、菅原由勢(AZアルクマール/オランダ)が入ってくるのは間違いないと思います。
MFは、キャプテンの遠藤航(リバプール/イングランド)、守田英正(スポルティング/ポルトガル)、田中碧(デュッセルドルフ/ドイツ)、鎌田大地(ラツィオ/イタリア)、堂安律(フライブルク/ドイツ)、久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)、中村敬斗(スタッド・ランス/フランス)、南野拓実(ASモナコ/フランス)、そして怪我が治れば三笘薫(ブライトン/イングランド)が外れる理由はありません。
また、僕は相馬勇紀(カーザ・ピア/ポルトガル)も入るのではないかと思います。今回試した3-5-2でウイングバックができる相馬は、森保監督の好みの選手でしょう。FWは上田綺世(フェイエノールト/オランダ)に加えて、サイドでもトップでもプレーできる選手として前田大然(セルティック/スコットランド)、6月は外れたものの、浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)は間違いなく選ばれると思います。
サバイバル対象はGK1枠+フィールドプレーヤー1枠か
ここまででほぼ確定だと思われるメンバーは21人。残りはGK1人とフィールドプレーヤー1人です。
GKのもう1人は、前川黛也(ヴィッセル神戸)、谷晃生(FC町田ゼルビア)、シュミット・ダニエル(ヘント/ベルギー)、中村航輔(ポルティモネンセ/ポルトガル)が候補ですが、決め手がないためこの中から調子のいい選手が選ばれると思います。
フィールドプレーヤーでボーダーラインにいるのではないかと思っているのが橋岡大樹(ルートン・タウン/イングランド)、小川航基(NECナイメヘン/オランダ)、細谷真大(柏レイソル)らです。もっとも、もし招集できるようになるのであれば、伊東純也(スタッド・ランス/フランス)は必ず入ります。そうなると枠は残りません。
もしも伊東がまだ招集できず、僕がその残りの1枠の選手を選ぶとしたら——。鈴木唯人(ブレンビーIF/デンマーク)をチョイスします。今回、鈴木はミャンマー戦の後半に出場したものの強烈なインパクトを残すことはできませんでした。ですが、その試合が鈴木にとって日本代表のデビュー戦だった点を考慮していいと思います。それよりも自分のクラブでのストライカーとして、そしてインサイドハーフとしての活躍ぶりを考えると、今後の日本代表の中での十分な伸びしろを感じられます。
外せない選手だけでも23人が埋まりそうになっていますし、当落線上にも選手がたくさんいます。この豊富なメンバーの中から誰がチョイスされるのか、そしてどんな戦いを見せてくれるのか、今から楽しみでなりません。
前園真聖
まえぞの・まさきよ/1973年生まれ、鹿児島県出身。92年に鹿児島実業高校からJリーグ・横浜フリューゲルスに入団。96年のアトランタ五輪では、ブラジルを破る「マイアミの奇跡」などをチームのキャプテンとして演出した。その後、ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)、湘南ベルマーレの国内クラブに加え、ブラジルのサントスFCとゴイアスEC、韓国の安養LGチータースと仁川ユナイテッドの海外クラブでもプレーし、2005年5月19日に現役引退を表明。セカンドキャリアでは解説者としてメディアなどで活動しながら、「ZONOサッカースクール」を主催し、普及活動を行う。09年にはラモス瑠偉監督率いるビーチサッカー日本代表に招集されて現役復帰。同年11月に開催されたUAEドバイでのワールドカップ(W杯)において、チームのベスト8に貢献した。